動画広告とは
動画広告とは、動画コンテンツを活用して商品・サービス・イベントなどを広告するマーケティング手法です。
テレビCMや電車内に流れる広告もありますが、YouTubeやSNSなどのWeb上で用いられるのが一般的です。
動画広告の重要性
動画コンテンツの人気が高まるにつれて、動画広告の重要性も増しています。
以下はサイバーエージェントが動画広告市場を調査したデータです。
2021年から2026年まで、右肩上がりで伸びていくと予測しています。
特に動画コンテンツの代表格である「YouTube」は、老若男女を問わず利用されています。
動画広告は視覚的な情報をユーザーに提供できるので、商品やブランドの印象を向上させやすいのがメリットです。
また、ターゲット設定やデータ分析を活用して、適切なユーザーにメッセージを届けられるので、現代のマーケティングにおいて重要性が高まっています。
動画広告の課金形式
動画広告を出稿すると、広告掲載の費用がかかります。
掲載費用の課金形式は、主に以下の3種類です。
- CPV課金:広告の視聴回数に応じた課金
- CPM課金:広告の表示回数に応じた課金
- CPC課金:広告のクリック回数に応じた課金
動画広告の効果を測定する方法
動画広告の効果を測定するために、KPI(重要業績評価指標)を決める必要があります。
効果的なKPIを設定するために、動画広告の出稿目的を決めておきましょう。
動画広告の目的は、主に下記の3つがあります。
- 認知:商品やサービスの認知度を高める
- 検討:商品やサービスの契約を促す
- 行動:契約やお問い合わせなどの行動を起こしてもらう
設定した目的によって分析する指標が異なるので、上記を参考にして目的を決めましょう。
目的を決めたら、次はKPIを設定します。
KPIを設定するために、以下の表を参考にしてください。
認知 | 検討 | 行動 |
---|---|---|
表示回数 | 再生時間 | クリック数 |
再生回数 | 視聴完了率 | クリック率(CTR) |
ユニーク視聴者数 | ブランド好感度 | コンバージョン数 |
広告想起率 | ブランド関心度 | コンバージョン率(CVR) |
ブランド認知度 | 比較検討 | 売上 |
上記の表を参考にして、動画広告の効果を測定するためのKPIを設定しましょう。
動画広告の種類は大別すると2つ
動画広告の種類は主に下記の2つです。
- インストリーム広告
- アウトストリーム広告
それぞれ特徴が異なるので、違いを押さえておきましょう。
順番に解説していきます。
インストリーム広告
インストリーム広告とは、視聴中の動画と同じ画面内で配信される動画広告です。
動画の再生中や再生前後に流れるのが特徴で、ユーザーの注意を引けるメリットがあります。
インストリーム広告を活用することで、視聴者に対して効果的に商品やサービスの魅力を伝えられます。
ただし、広告の内容次第で自社の印象を悪くするリスクもあるので、注意が必要です。
アウトストリーム広告
アウトストリーム広告とは、動画コンテンツのなかで流れる広告ではなく、外で再生される広告のことです。
アウトストリーム広告は、下記3つの広告に分けられます。
- インリード広告
- インバナー広告
- インターステイシャル広告
ひとつずつ解説していきます。
インリード広告
インリード広告とは「Twitter」「Instagram」などのSNSで使用される動画広告で、画面のスクロール中に表示されるのが特徴です。
スクロールに表示された瞬間から動画が再生され、視聴者の注意を引きつけられます。
特に、SNSを頻繁に利用するユーザーの目に留まりやすく、SNSユーザーが増加している昨今において、効果的な動画広告といえるでしょう。
インバナー広告
インバナー広告とは、通常のバナー広告と同様に、Webページ上のバナー広告枠で表示される動画広告です。
動画メディア以外のWeb媒体でも広告を表示できる点が特徴で、さまざまなターゲット層へのアプローチができます。
インバナー広告の代表例としては「Yahoo! JAPAN」の右上に表示される広告が挙げられます。
Webページの一部として表示され、ユーザーがWebページを閲覧する際に、目を引きやすいです。
インターステイシャル広告
インターステイシャル広告とは、Webサイトやアプリ内で、画面の切り替え時に表示される動画広告です。
ページの中央や前面に大きく表示されるので、ユーザーの視認性が高いのが特徴です。
しかし、ユーザーによっては広告を不快に感じたり、ほとんど観ることなくスキップする可能性もあります。
そのため、ユーザーが不快に感じるほど過度な広告表示は避けましょう。
動画広告を掲載できる主な媒体7つ
動画広告を掲載できる主な媒体は、下記の7つです。
- YouTube
- TikTok
- X(旧:Twitter)
- LINE
- GDN・YDA
それぞれ特徴が異なるので、違いを押さえておきましょう。
YouTube
YouTubeはGoogleが運営する世界最大の動画共有サービスで、広告主が動画広告を掲載する主要な媒体のひとつです。
ユーザーの年齢層は幅広く、若年者から高齢者まで数多くの人が利用しています。
広告主はYouTubeの広告プラットフォームを活用して、さまざま広告を掲載できます。
TikTok
TikTokはショート動画がメインのSNSです。
広告主はTikTok広告プラットフォームを通じて広告を掲載でき、若年層をターゲットにした広告に適しています。
Instagramは画像と動画コンテンツがメインのSNSで、ストーリーズやフィード内で動画広告を掲載できます。
画像や動画に特化したSNSなので、動画広告と相性がよいです。
動画広告としてはストーリーズ広告が主流で、ストーリーズの合間に流すことが可能です。
X(旧:Twitter)
X(旧Twitter)は140文字の短文投稿がメインのSNSで、日本国内での月間利用者数が4500万人を超えています(2017年10月時点)。
広告主は特定のキーワードやターゲットに対して、動画広告を配信できます。
特徴は何といっても拡散性の高さです。
広告が拡散されれば、かけた広告費以上の成果をあげることも可能です。
Facebookは実名制が特徴のSNSで、個人情報をもとに精度の高いターゲティングをおこなえます。
日本では30~50代のビジネスパーソンが主に利用しています。
上記のユーザー層をターゲットにする場合は、Facebook広告がおすすめです。
LINE
LINEは国内利用者数が9,500万人(2023年6月末時点)と、日本で最大規模のSNSです。
年齢層も幅広いので、さまざまな年代のユーザーにアプローチできます。
また「LINE VOOM」と呼ばれるショート動画を楽しめる機能も搭載されています。
近年ではショート動画が人気を集めているので、流行に合わせた広告運用をおこなえる点も魅力です。
GDN・YDA
GDN(Googleディスプレイネットワーク)は、Google広告で出稿できる広告です。
Googleが提供しているサービスを利用するユーザーにアプローチできる点が魅力です。
YDA(Yahoo!ディスプレイ広告)は、Yahoo! JAPANが提携しているサービスサイトに表示される広告です。
GDNと同様に、幅広いユーザーへ動画広告でアプローチできます。
動画広告のメリット
ここでは動画広告のメリットについて解説します。
動画広告は、下記のようなメリットがあります。
- 視覚的にインパクトがある
- 情報をリアルに伝えやすい
- ユーザーの感情に訴えかけやすい
- 動画がバズる可能性がある
- SNSでシェアを獲得できる可能性がある
静止画と比べて視覚的にインパクトがあるので、ユーザーの感情に訴えかけやすい点が魅力です。
また、動画がSNSでバズれば、少額のコストで大きなマーケティング効果を生み出すこともできます。
動画広告のデメリット
動画広告はメリットも多いですが、以下のようなデメリットもあります。
- 高額な制作コストがかかる
- 広告の制作に時間がかかる
- ユーザーに嫌悪感を与える可能性がある
静止画のWeb広告と比べると、企画から配信まで多くの時間とコストがかかります。
また、動画広告がSNSでバズるというのは、必ずしもメリットだけではありません。
仮に不適切な内容で拡散されると、多くのユーザーに嫌悪感を与えるリスクもあるのです。
メリットとデメリットを考慮したうえで、自社で動画広告を導入するのか検討してみてください。
動画広告のまとめ
動画広告の基礎知識や、主要な媒体について解説しました。
主要な媒体は下記の7つです。
- YouTube
- TikTok
- LINE
- GDN・YDA
それぞれ特徴が異なるので、自社のマーケティング戦略に合った媒体を選びましょう。
動画広告を効果的に活用することで、Webマーケティングの成功がグっと近づきます。
この記事の内容を参考にして、動画広告を導入するかを検討してみてください。