オウンドメディア戦略を設計する9ステップ
オウンドメディア戦略の設計について解説します。
- オウンドメディアを運用する目的を明確にする
- オウンドメディアのコンセプトを決める
- ペルソナを設定する
- 集客チャネルを決める
- KPIを設定する
- カスタマージャーニーを作成する
- 運用体制を整える
- 競合を分析する
- コンテンツを作成する
ステップ1:オウンドメディアを運用する目的を明確にする
最初に「何のためにオウンドメディアを運用するのか」という目的を明確にしましょう。
例えば、以下の目的があります。
- 自社商品の売上向上
- ブランド価値の向上
- リードの獲得
- 競合他社との差別化
- 顧客との信頼関係の強化 など
ビジネスでオウンドメディアを始めるからには、何らかの目的があります。
この段階では具体的でなくても構わないので、上記を参考にして目的を考えてみてください。
ステップ2:オウンドメディアのコンセプトを決める
目的を決めたあとは、コンセプトを決めます。
オウンドメディアにおけるコンセプトとは「誰に、どんな情報を発信するのか」を明確にすることです。
例えば、以下のコンセプトが考えられます。
- 「中小企業のWeb担当者に向けて、オウンドメディア運用を成功させるための情報を発信する」
- 「筋トレで体を鍛えたい20~30代の男性に向けて、効率よく筋肉を発達させるトレーニング方法を発信する」
- 「美容に関心のある20代の女性に向けて、コスパの良いスキンケアの方法を発信する」
コンセプトが明確だと、オウンドメディアに訪問してくれた読者に強く刺さるコンテンツを作れます。
結果としてコンテンツの内容に共感してくれる読者が集まり、自社商品の成約につながります。
自社商品の成約数を伸ばすためにも、コンセプトを決めましょう。
ステップ3:ペルソナを設定する
ペルソナとは、自社商品を購入するであろう具体的なユーザー像です。
具体的なユーザー像を明確にすることで、オウンドメディアに訪問する読者の悩みや課題などを把握しやすくなります。
読者の悩みや課題を把握できると、良質なコンテンツを制作するのに役立ちます。
良質なコンテンツを制作できると読者から信頼を獲得しやすくなるため、ペルソナを設定しておきましょう。
ペルソナを設定する方法がわからない方は、以下の記事を読んでみてください。
関連記事:ペルソナ設定の方法を初心者向けにわかりやすく解説【テンプレート付き】
ステップ4:集客チャネルを決める
ペルソナを設定したあとは集客チャネルを決めます。
主な集客チャネルは以下のとおりです。
- 検索エンジン(SEO)
- SNS
- 動画プラットフォーム
- Web広告
検索エンジンやSNSは成果が出るまでに時間がかかるため、中長期的な集客を目指したい企業に向いています。
一方で「すぐにでも成果を出したい」という企業は、即効性の高いWeb広告がおすすめです。
集客チャネルの詳しい内容は、以下の記事で確認できます。
関連記事:オウンドメディア8つの集客方法!集客を成功させるコツとあわせて解説
ステップ5:KPIを設定する
KPI(Key Performance Indicator)とは「重要業績評価指標」を意味する言葉で、事業目標の達成を評価するために用いる指標です。
簡単にいうと「事業で設定する中間目標」という認識で問題ありません。
KPIを設定することで目標の進捗状況を正確に把握できるため、オウンドメディアの目標達成に役立てられます。
KPIの設定方法は、以下の記事で解説しています。
関連記事:KPIを設定する方法を手順に沿ってわかりやすく解説
ステップ6:カスタマージャーニーを作成する
カスタマージャーニーとは、Webサイトを訪問した読者がコンバージョンに至るまでの道筋を可視化した図です。
悩みや課題を抱える読者はどんな気持ちで自社のWebサイトを訪問し、どのような行動をするのかを考えます。
一言で行動といっても認知・検討・購買など、さまざまな段階に分かれています。段階ごとに必要なコンテンツを提供することで、読者に強く刺さるコンテンツを制作しやすくなるのです。
例えば「化粧品を比較検討したい」という段階の場合「化粧品 おすすめ」「化粧品 比較」などのキーワードを基にコンテンツを制作することが考えられます。
自社のオウンドメディアに訪問する読者に必要な情報を発信するためにも、カスタマージャーニーを作成しましょう。
ステップ7:運用体制を整える
カスタマージャーニーを決めたあとは、運用体制を整えます。
オウンドメディアの運用は、コンテンツの企画や制作、各工程のスケジュール調整などのさまざまな作業が必要です。
運営体制が整っていないと、作業の多さが原因でオウンドメディアの運用が滞る可能性があります。
スムーズにオウンドメディアを運用するためにも、以下を参考にして運用体制を整えておきましょう。
- 責任者を決める
- コンテンツ制作のルールを決める
- コンテンツの企画や制作などの担当を決める
- 自社のリソースが足りない場合は外注する
- 必要なWebツールを導入する(ヒートマップやアクセス解析など)
ステップ8:競合を分析する
戦略を設計するのに競合の情報も役立つため、以下を参考にして分析してみてください。
- 執筆しているキーワード
- 設定しているターゲット
- 記事の独自性(オリジナル画像やアンケートの収集など)
- 自社商品の訴求文 など
自社のオウンドメディアに活用できそうなことは、積極的にとり入れましょう。
関連記事:競合分析のやり方がバッチリわかる!おすすめのツールも紹介
ステップ9:コンテンツを作成する
最後に、コンテンツを作成します。
コンテンツの作成方法は以下の記事で解説しているので、参考にしてみてください。
失敗するオウンドメディア3つの特徴
失敗するオウンドメディアの特徴を解説します。
- コンテンツの質が低い
- 準備を怠っている
- 成果を早く出そうと焦っている
オウンドメディアの運用で失敗したくない方は、参考にしてみてください。
1.コンテンツの質が低い
コンテンツの質が低いと以下の悪影響を及ぼすため、オウンドメディアの運用で失敗しやすくなります。
- 検索結果ページの上位に表示されない
- 上位表示されないからアクセスが増えない
- アクセスが増えないから売上も増えない
オウンドメディアを成功させるには、良質なコンテンツを制作することが欠かせません。
コンテンツの質を高めるなら「ヒートマップ」がおすすめ
ヒートマップとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を可視化できるツールです。
ユーザーの詳細な行動を分析できるため、コンテンツの改善点を洗い出すのに役立ちます。
ヒートマップを導入していないと「いつも決まった箇所で読者が離脱している」といった損失に気づけません。
本来であればコンバージョンにつながったはずのアクセスを捨てていることになるため、Webサイトに投資してきた資金や時間を捨てているのと同じです。
損失を防ぎたい方は、ヒートマップの導入をおすすめします。
ヒートマップに興味のある方は、以下の記事を読んでみてください。おすすめのヒートマップツールを紹介しています。
2.準備を怠っている
オウンドメディアは以下のように準備することが数多くあります。
- 目的の明確化
- ペルソナの設定
- 集客チャネルの決定
- 競合の調査
- 運用体制の構築
- 利用するツールの検討
- キーワードの選定 など
「目的の明確化」「ペルソナの設定」などの準備を怠るほどなかなか成果が出ず、早々に撤退します。
準備をめんどうに感じるかもしれませんが、成果を出すために必要な作業です。
オウンドメディアで成果を出すためにも、入念に準備したうえで運用することをおすすめします。
3.成果を早く出そうと焦っている
成果を早く出そうと焦ると、失敗する可能性が高くなります。
オウンドメディアはコンテンツを継続的に発信する必要があり、中長期的な視点で運用することが大切です。
早く結果を求めるほどうまくいかないことに落胆し、オウンドメディアの運用に挫折しやすくなります。
そのため、成果を焦らずに中長期的な視点でコンテンツを発信しましょう。
オウンドメディア戦略を成功させる5つのポイント
オウンドメディア戦略を成功させるポイントを解説します。
- 最初のKPIは記事数にする
- SEOで集客する場合は競合の少ないキーワードから書く
- コンテンツの見た目にこだわる
- SNSアカウントも育てる
- 定期的に効果測定してコンテンツを改善する
1.最初のKPIは記事数にする
最初のKPIは記事数にするのがおすすめです。
「量より質のほうが大事では?」と思うかもしれませんが、ある程度は量がないとメディアとしての格好がつきません。
コンテンツの質を追求するのは、量を確保したあとにしましょう。
2.SEOで集客する場合は競合の少ないキーワードから書く
競合の強いビッグキーワード(検索数の多いキーワード)は検索上位を獲得する難易度が高いため、競合の少ないキーワードであるロングテールキーワードがおすすめです。
ロングテールキーワードとは、2~3語の複合語で構成されている検索数の少ないキーワードを指します。
検索数は少なくても、検索上位を獲得することで一定のアクセスは見込めます。
オウンドメディアを立ち上げたばかりの時期はロングテールキーワードで徐々にアクセスを増やし、Webサイトが育ってきた段階でビッグキーワードを書きましょう。
キーワードの選定方法は、以下の記事で確認できます。
関連記事:SEOキーワード選定のやり方!選定のコツやおすすめツール5選も紹介
3.コンテンツの見た目にこだわる
記事の内容はよくてもパッと見て「読みづらいな」と思われると、離脱されやすくなります。
離脱を防ぐためにも、以下のように文章の見た目を整えましょう。
- 箇条書きを活用する
- 表や図解などを入れる
- 1~2文を目安に改行する
- 重要な箇所を太文字やアンダーラインなどで装飾する など
ポイントは、パッと見ても要点が伝わるように工夫することです。
箇条書きやアンダーラインなどを用いることで、要点がひと目でわかります。
また、スマートフォンで記事を閲覧する読者も多いため、PCだけでなくスマートフォンの画面でも文章の見た目を確認しましょう。
4.SNSアカウントも育てる
SEOはオウンドメディアの集客において高い効果を発揮しますが、アルゴリズムの変更などでアクセスが大きく減少するリスクがあります。SEOに依存するリスクを分散するためにも、SNSアカウントも育てると良いでしょう。
SNSは記事を掲載して拡散させるなどの流入元として機能するだけでなく、フォロワーと良好な関係を築いてブランドの信頼性を高める効果も期待できます。
5.定期的に効果測定してコンテンツを改善する
コンテンツは1度制作したら終わりではありません。
定期的に効果測定して改善することで、コンテンツの質は高まっていきます。
再三いうようにコンテンツの質がオウンドメディアの成果を大きく左右するため、定期的に効果測定してコンテンツを改善しましょう。
コンテンツの効果測定に活用していただきたいのが「サイトリード」です。
サイトリードは、コンテンツの効果を測定できる3種類のヒートマップを搭載しています。
ヒートマップを活用して詳細なユーザー行動を分析することで、より効果の高い施策につなげられます。
サイトリードは1,000PV未満のWebサイトであれば、無料でお試しいただけます。
「コスパNo.1のヒートマップツール」とご好評をいただいているサイトリードを、この機会に無料で利用してみてください。
オウンドメディア戦略の成功事例3選
最後に、オウンドメディア戦略の成功事例を紹介します。
- ばね探訪
- shiRUto
- THE CALBEE
オウンドメディア戦略を立てる際の参考にしてみてください。
1.ばね探訪
1つ目に紹介する成功事例は「ばね探訪」です。
オウンドメディアを立ち上げてもすぐに撤退する企業もあるなかで、ばね探訪は2008年のスタート以来16年もの間、運用し続けています。
すぐに撤退するオウンドメディアとばね探訪の主な違いは「オウンドメディアを運用する目的」です。
メーカーのオウンドメディアというと「開発秘話」「作り手の思い」などを発信する企業が多いなか、ばね探訪は取引先などの事業や製品作りに対する取り組みを深く紹介しています。
製品が活躍する現場を深く掘り下げてレポートすることで、未開拓の新規顧客層の認知獲得に成功しています。
2.shiRUto
2つ目に紹介する成功事例は、立命館大学が運営しているWebサイトである「shiRUto」です。
大学と社会の懸け橋になることを目指して開設され、総記事数は約450本、月間10万PVを超える規模の大きいサイトに成長しています。
発信において意識しているのは「専門的すぎる内容にしない」ということです。
専門知識のない読者でも理解できるようにわかりやすい情報を発信することで、多くの読者から支持を得ることに成功しました。
3.THE CALBEE
3つ目に紹介する成功事例は、カルビー株式会社が運営しているSNS(note)である「THE CALBEE」です。
「カルビーのこれまでとこれからのストーリーを語っていく場」というコンセプトを掲げ、商品開発の裏話や従業員へのインタビューなどを発信しています。
企業に愛着をもってもらえる「カルビーらしさ」を追求した情報を発信することで、多くのファンを獲得しています。
オウンドメディアの戦略まとめ
オウンドメディアの戦略について解説しました。
戦略を設計するうえでやることは多いですが、オウンドメディアは時間や手間がかかるものです。
戦略設計がうまくいくと成果が出るのも早くなるため、本記事の内容を参考にしてオウンドメディアの戦略を立てましょう。
オウンドメディアで成果を出したい方は、サイトリードのご利用を検討してみてください。
3種類のヒートマップを搭載しており、コンテンツを改善する際に役立ちます。
【参考文献】
月刊『広報会議』編集部「広報会議2024年6月号 オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」