そもそもABテストとは
ABテストとは、複数の要素を比較し、どちらがより効果的かを検証する方法を指します。
2つ以上のパターン(AとB)をランダムに表示し、クリック率やコンバージョン率などの指標を測定します。

Webツールでアクセス状況やユーザー行動を分析することで、感覚や勘ではなくデータに基づく最適なパターンを特定できます。
>関連記事:ABテストとは?メリット・デメリット、やり方やおすすめのツールを紹介
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LPの改善に効果的なABテストのやり方5STEP
LPのABテストのやり方は、以下のとおりです。
- Webツールを活用してLPの課題を把握する
- 成果向上につながる仮説を考える
- ABテストツールを選定する
- ABテストを実施する
- ABテストの効果を検証する
手順に沿って1つずつ解説します。
STEP1:Webツールを活用してLPの課題を把握する
LPはファーストビューからフッターまで、1つのテーマに沿って情報が組み立てられています。
このページ全体のなかでどの部分に課題があるのかを「アクセス解析ツール」「ヒートマップツール」などのWebツールを活用して特定しましょう。
例えば、以下のような課題が考えられます。
- CTAボタンがクリックされていない
- ファーストビューの離脱率が高い
- スクロール率が低い
Webツールを活用することで、ユーザーが離脱しているエリアやCTAボタンのクリック率などを把握できます。
また、ツールによってはユーザー行動の録画も可能で、迷ったりつまずいたりしているポイントも見つけられます。
Webツールでデータを取得し、LPの課題を明確にしましょう。
>関連記事:アクセス解析する7つの手順や無料のおすすめツールを徹底解説!
LPの課題を分析するには「ヒートマップツール」がおすすめ
ヒートマップツールとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を可視化できるツールを指します。

ユーザーの詳細な行動を分析できるため、LPを改善する際に役立ちます。
ヒートマップツールを利用してLPの課題を洗い出さないと「いつも決まった箇所でユーザーが離脱している」といった機会損失に気づけません。
本来であればコンバージョンにつながったはずのアクセスを捨てているため、Webサイトに投資してきた資金や時間をロスしているのと同じです。
損失を防ぎたい方は、ヒートマップツールを導入しましょう。
ヒートマップツールに興味のある方は、以下の記事を読んでみてください。おすすめのヒートマップツールを紹介しています。
>関連記事:【2025年最新版】おすすめのヒートマップツール11選を徹底比較!無料から有料まで幅広く紹介
STEP2:成果向上につながる仮説を考える
仮説は「Aを変えると、Bという結果になるはず」という形で具体化するのがポイントです。
例えば、以下のような仮説が考えられます。
- 「CTAボタンの色を赤から緑に変えると、クリック率が上がるはず」
- 「ファーストビューの画像を変えると、スクロール率が上がるはず」
- 「CTAボタンの文言を変えると、コンバージョン率が上がるはず」
仮説を立てたうえでABテストを実施するとムダな失敗を減らせるため、早く成果を出しやすくなります。
仮説に優先順位をつけ、インパクトが大きく実装が容易なものから着手しましょう。
STEP3:ABテストツールを選定する
仮説を考えたあとは、ABテストツールを選定します。
次でおすすめのABテストツールを紹介するので、参考にしてみてください。
- Optimize Next
- Juicer
- SiTest
Optimize Next

「Optimize Next」は、PROJECT GROUP株式会社が提供するABテストツールです。
シンプルな操作性で簡単にABテストを実施でき、無料で利用できます。
コーディングの知識も不要で、直感的な操作でコンテンツを編集可能です。
URL:https://optimize-next.com/
Juicer

「Juicer」は、無料で利用できるABテストツールです。
過去のABテストで最も成果を出したパターンを引き継げる点が特徴です。
SiTest

「SiTest」は、ABテストだけでなくヒートマップやEFOなども利用できます。
「ABテストだけ利用できればいい」という方は、無料で利用できるOptimize NextやJuicerでも十分です。
詳細なユーザー行動を分析したい方は、SiTestの利用を検討してみてください。無料トライアルを用意しているため、操作性を確認してから契約できます。
STEP4:ABテストを実施する
選定したABテストツールを利用して、ABテストを始めます。
まず、オリジナルのLP(A)と変更を加えたLP(B)の2つを用意しましょう。
テスト開始前に「両パターンが正しく表示されるか」「計測タグが正常に動作するか」なども確認します。テスト中はデータの異常値がないか定期的に確認し、問題があればすぐに対処します。
テスト期間中に大きな変更をすると結果に影響を与える可能性があるため、テストを終えてから変更しましょう。
STEP5:ABテストの効果を検証する
最後に、ABテストの効果を検証します。
テストの結果が仮説と一致したか、予想外の結果が出た場合は理由を考察することで、改善のヒントを得られます。
優れたパターンをLPに実装し、テストで得られた知見はチームで共有しましょう。
「検証結果を参考にして仮説を立て、テストを実行する」というサイクルを繰り返すことで、ABテストの精度は向上します。
ただし、明確に優劣がつかないケースもあります。優劣がつくまでテスト期間を延長したくなるかもしれませんが、おすすめしません。
期間を延長したところで、明確な差が出るとは限らないからです。期間を延長するほどテストの回数が減り、改善が遅れます。
そのため、優劣がつかなくても新たな仮説を立て、次のテストを実施しましょう。ABテストは、早いサイクルでPDCAを回すことがポイントです。
LPをABテストする際の注意点|失敗を防ぐ
ここでは、LPをABテストする際の注意点を解説します。
- 1箇所ずつテストする
- 主観的な判断を避ける
- 効果を検証する期間を確保する
- 外部要因の影響を考慮する
- 定期的にPDCAを回す
ABテストで失敗しないためにも、注意点を押さえておきましょう。
1箇所ずつテストする
複数の要素を同時に変更してテストすると、何が原因で数字に変化が生じたのかわからなくなります。
例えば、キャッチコピーの文言とボタンの色を同時に変更してテストした場合、数字が変化した原因がキャッチコピーなのかボタンの色なのかわかりません。
正確に結果を検証するためにも、1箇所ずつテストを実施しましょう。
主観的な判断を避ける
「こっちのデザインのほうがおしゃれ」「この表現のほうがキャッチー」などの主観的な判断は避けましょう。
制作者にとっては魅力的なデザインや表現でも、ターゲットユーザーに刺さるとは限りません。
個人的な好みや思い込みではなく、データに基づき客観的に判断することが大切です。
コンバージョン率や滞在時間などの指標を測定し、多角的に分析します。検証結果はチーム内で共有し、複数の視点で評価しましょう。
効果を検証する期間を確保する
検証期間が短いと平日や休日などでアクセスの差が大きくなり、偏った結果が出やすくなります。
そのため、効果を検証する期間を確保しましょう。目安は2週間程度です。
ただし、PV数が少ないページの場合は、2週間ほどでは十分なサンプル数を獲得できない場合もあります。
必要なサンプル数に応じて、テスト期間を調整しましょう。
外部要因の影響を考慮する
ABテストの結果は、季節や競合サイトなどの外部要因に左右される可能性があるため、注意が必要です。
例えば、大型連休やセール期間中はアクセス数が変動しやすいため、ABテストの実施期間として適切でない場合があります。
また、季節イベントや天候の変化などもコンバージョン率に影響します。
ABテストを実施する際は外部要因を事前に予測し、影響が出にくい時期を選ぶ、もしくは影響を考慮したうえで結果を分析しましょう。
定期的にPDCAを回す
ABテストは定期的にPDCAサイクルを回すことで、コンバージョンにつながるパターンを早く見つけられます。
例えば、以下のようにしてPDCAサイクルを回します。
- P:仮説を立てる
- D:仮説に基づいて実行する
- C:結果を測定する
- A:結果を基に改善する
ABテストの結果を分析し、改善点を見つけたら、新たな仮説を立てて再度ABテストを実施します。
このサイクルを繰り返すことで、LPを継続的に改善し、コンバージョン率の向上を目指せます。
>関連記事:PDCAサイクルを早く回す7つのコツ!基本的な回し方や具体例も解説
LPの改善に必要なデータを取得できるツール「サイトリード」
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LPをABテストする際によくある質問
最後に、LPをABテストする際によくある質問にお答えします。
ABテストの費用はどれくらいかかる?
無料のABテストツールを利用すれば、費用はかかりません。
有料の場合はツールによって費用が大きく異なり、月1万円程度のツールもあれば、月10万円を超えるツールもあります。
利用料金は搭載されている機能やサービス内容で変わるため、ABテストのみ利用できれば問題ない場合は、費用を抑えられます。
GA4と連携できるABテストツールは?
GA4と連携できるABテストツールは、以下のとおりです。
連携させることで、ABテストのデータをGA4で一元管理できます。
GA4でデータを一元管理したい方は、上記のツールの利用を検討してみてください。
まとめ:LPを改善して収益性の向上につなげよう
LPのABテストのやり方や注意点などを解説しました。
LPのコンバージョン率を高めるためにも、ABテストを実施して最適なパターンを見つけることが重要です。
Webツールでアクセス状況やユーザー行動を分析することで、感覚や勘ではなくデータに基づく最適なパターンを特定できます。本記事の内容を参考にしてABテストを実施し、LPを改善しましょう。
LPを改善する方法は、以下の記事でも確認できます。
>関連記事:LPOの改善施策4選を初心者向けにわかりやすく解説!
【参考文献】
株式会社ポストスケイプ「ランディングページ 成果を上げる100のメソッド」株式会社エムディエヌコーポレーション、2018年