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ベネフィットの意味、メリット・スペックとの違い、効果的な使い方を解説【例文あり】

「ベネフィットという言葉をよく聞くけど、どういう意味なの?」 「ベネフィットと似たような言葉が多くて、違いがよくわからない…」 こういった疑問や悩みに応える記事です。 ベネフィットはマーケティングにおいて必ず知っておくべき用語ですが、知らない方も多いと思います。 メリットやスペックなどの似たような用語もあり、ベネフィットについてわからなくても無理はありません。 本記事では、ベネフィットの意味やメリットとの違い、効果的な使い方などを解説しています。 最後まで読むとベネフィットの基礎知識を理解でき、マーケティングに活用できるようになるでしょう。

ベネフィット(benefit)の意味

ベネフィット(benefit)とは、何かを得ることで生まれる価値や良い結果を指します。

例えば、スマートフォンを購入したとしましょう。

購入するとスマートフォンという「物」が手に入るだけでなく「友達と楽しく交流できる」「大切な思い出を写真に残せる」という価値も手に入ります。

これがベネフィットです。スマートフォンを購入したことで、さまざまな価値を得られます。

「価値」でイメージしにくい方は「幸せな未来」「うれしい結果」などと置き換えてみてください。

ビジネスにおけるベネフィットの重要性

ベネフィットは、顧客の購買行動を大きく左右します。人は、自分が求める価値を得るために行動するからです。

先ほどお伝えしたように、購入することで実現できる幸せな未来や結果に価値を感じます。

つまり、商品の機能だけを伝えても、顧客の心には響きません。

顧客の心を動かして購買行動につなげるために、ベネフィットはビジネスにおいて重要です。

ベネフィットの種類

一言でベネフィットといっても、以下の2種類があります。

  • 機能的ベネフィット
  • 情緒的ベネフィット

それぞれの違いを見ていきましょう。

機能的ベネフィット

機能的ベネフィットの説明

機能的ベネフィットとはその名のとおり、商品やサービスが提供する機能的な価値を指します。

例えば、以下は機能的ベネフィットに該当します。

  • スマートフォン:長持ちするバッテリー
  • ノートパソコン:軽量で持ち運びがしやすい
  • インターネット回線:高速で安定した通信品質

「重さ」「早さ」など、数字やデータで客観的に示せるのが機能的ベネフィットです。

情緒的ベネフィット

情緒的ベネフィットの説明

情緒的ベネフィットとは、商品やサービスを利用することで得られる感情的な満足感や体験のことです。

【情緒的ベネフィットの例】

  • SNS:友達とつながる安心感
  • 高級バッグ:憧れのバッグを買った達成感
  • ビジネス書:仕事のできるカッコいい自分

前述した機能的ベネフィットは客観的であるのに対し、情緒的ベネフィットは主観的です。

ベネフィットの対義語

ベネフィットの対義語は、以下のとおりです。

対義語

意味

ロス

「損失」「ムダ」を意味し、時間や機会を失う場合に用いられる

ダメージ

「損害」「被害」を意味し、人間の体や組織などに対して用いられる

ディスアドバンテージ

「不便」「不利」を意味し、ほかと比較した際の不利な立場を表す際に用いられる

ベネフィットの意味が「便益」「利益」などになるため、対義語は「不便」「損失」の意味をもつ言葉となります。

ベネフィットとメリットの違い

ベネフィットとメリットの違い

ベネフィットとメリットはよく似ており、違いがわからない方も多いでしょう。

メリットとは、商品やサービスがもつ長所や利点を指します。

例えば車の場合、以下のメリットがあります。

  • 行動範囲を広げられる
  • 緊急時にすぐ対応できる
  • 周りの目を気にしなくていい

車の直接的な長所や利点のことをメリットといいます。同じく車でベネフィットを考えると、以下のようになります。

  • 行動範囲を広げられる→家族と気軽にドライブや旅行を楽しめる
  • 緊急時にすぐ対応できる→急病の家族をすぐに病院へ搬送できる
  • 周りの目を気にしなくていい→ヘッドホンをつけずに好きな音楽を聴ける

ベネフィットは「幸せな未来」といえるため、メリットによって得られる恩恵を考えるとイメージしやすいです。

ベネフィットとスペックの違い

ベネフィットとスペックの違い

スペックも意味が似ていてややこしいので、違いを解説します。

スペックとは、商品やサービスの性能を示す言葉です。例えば、パソコンのスペックは以下になります。

  • CPU:Core i7
  • メモリ:64GB
  • モニター:27インチ

パソコンの性能を数字で表しているのがスペックです。一方で、ベネフィットは以下になります。

  • CPU:Core i7→バッテリー効率が良く、外出先でも長時間使用できる
  • メモリ:64GB→大量のメモリを使う動画編集ソフトもサクサク動く
  • モニター:27インチ→映画やゲームなどを大画面で楽しめる

スペックという性能のおかげで、ベネフィットという幸せな未来が手に入ります。

スペックのみを伝えても顧客の心には響かないため、ベネフィットに変換して伝えましょう

ベネフィットに変換する方法はのちほど紹介するので、このまま読み進めてください。

ベネフィットの効果的な使い方【例文あり】

ベネフィットの使い方を見ていきましょう。

  • マーケティング
  • 家電
  • 医療
  • 健康食品
  • 転職

マーケティング

マーケティングのベネフィットは、売上増加に関するものが効果的です。

例えば「コンバージョン率の向上」「クリック率の向上」などは、売上増加につながります。

機能

ベネフィット

アクセス解析機能

・コンバージョン率の向上

・アクセス数の増加

・ユーザー満足度の向上

ABテスト機能

・クリック率の向上

・コンバージョン率の向上

自動メール配信機能

・時間と労力の削減

・スムーズな効果の測定

家電

家電商品のベネフィットは、機能や性能などを実生活の価値に変換することがポイントです。

商品を使うことで得られる時間や快適さなど、目に見えない価値を具体的な言葉で伝えましょう。

商品

ベネフィット

スマートフォン

・友達と楽しく交流できる

・通勤や昼休みの時間に音楽を楽しめる

・地図アプリを活用することで、スムーズに目的地まで行ける

ロボット掃除機

・時間を節約できる

・体力的な負担を軽減できる

・きれいな部屋で心地よく過ごせる

電子レンジ

・調理時間を短縮できる

・簡単な操作で食べ物を加熱できる

・温かくておいしい料理をすぐに食べられる

医療

医療系の商品やサービスを利用する顧客が求めている価値は「健康」です。

そのため、商品やサービスを利用することで「病気が完治して健康になる」「健康を維持できる」などのベネフィットが効果的です。

医療関連製品

ベネフィット

かぜ薬

・鼻づまりや咳などの不快な症状の解消

・症状を抑えることで睡眠の質を改善

マスク

・コロナやインフルエンザなどのリスク軽減

・アレルギー症状の緩和

消毒液

・ウイルスや細菌の除去による感染リスク軽減

・食中毒のリスク軽減

健康食品

健康食品のベネフィットは、摂取することで得られる健康効果や生活の変化などを伝えることがポイントです。

例えば「ビタミンCが豊富」という特徴よりも「風邪をひきにくくなり、活動的な毎日を送れます」というベネフィットのほうが購入意欲を高めます。

商品

ベネフィット

青汁

・手軽に栄養を摂取できる

・豊富な食物繊維により便秘を解消できる

・抗酸化作用により老化を防止できる

サプリメント

・必要な栄養を簡単に補給できる

・食事で栄養を摂取する手間を減らせる

・中性脂肪や血糖値などの健康に関する悩みを手軽に対策できる

プロテイン

・筋肉の成長に必要な栄養を手軽に補給できる

・手軽に空腹感を解消できる

・筋肉を効率よく成長させられる

転職

求職者は「自分が求める条件を満たした企業で働きたい」「自分に向いている仕事がしたい」などのニーズがあるため、理想のキャリアの実現を訴求するのが効果的です。

転職サービス

ベネフィット

転職サイト

・豊富な求人から自分に合う仕事を見つけられる

・一般公開されていない優良求人を閲覧できる

転職エージェント

・自分に合う仕事が見つかる可能性が高くなる

・書類の添削や面接対策などを受けることで、採用確率を高められる

キャリアコーチング

・自分の適正に合う仕事が見つかる

・長期的なキャリアプランを形成できる

ベネフィットの見つけ方3つのコツ

ここまでベネフィットの意味や使い方などを解説しましたが、それだけではマーケティングにおいてベネフィットを最大限に活用できません。

自分でベネフィットを見つけられるようになることで、マーケティングに活用できます。

ベネフィットの見つけ方を解説するので、参考にしてみてください。

  • ペルソナを設定する
  • スペックをリストアップする
  • スペックを基にベネフィットを考える

ペルソナを設定する

ペルソナとは、自社商品を必要としている具体的な顧客像を指します。

ペルソナの説明

ペルソナを設定することで「誰に向けて商品の魅力を伝えるべきか」が明確になります。

例えば「40代の共働き主婦で時短を求めている」「50代で健康に不安をもつ会社員」など具体的に考えるほど効果的です。

ペルソナの悩みや願望が明確になると、解決策としてのベネフィットもイメージしやすくなります

ベネフィットを明確にするためにも、ペルソナを設定してみてください。ペルソナの設定方法は、以下の記事で確認できます。

>関連記事:ペルソナ設定の方法を初心者向けにわかりやすく解説【テンプレート付き】

スペックをリストアップする

スペックを変換すると、簡単にベネフィットが見つかります。

そのため、数字やデータなどの客観的な情報であるスペックをリストアップしましょう。

例えば、冷蔵庫だと以下のスペックがあります。

  • 容量:600L
  • 消費電力:250kWh/年
  • 静音性:20dB

なるべく多くのスペックを書き出してみてください。商品の説明書やWebページなども参考になります

スペックを基にベネフィットを考える

最後に、リストアップしたスペックを基に、ペルソナにとってのベネフィットを考えます。

冷蔵庫を例にすると、以下のようになります。

  • 容量:600L→食材をまとめて保存できるため、買い物の頻度を減らせる
  • 消費電力:250kWh/年→年間の電気代を〇〇円節約できる
  • 静音性:20dB→物音に敏感な方でも夜ぐっすり眠れる

各スペックに対して「どんな価値があるの?」「どんな幸せな未来を実現できるの?」などと考えるのがコツです。

機能的ベネフィットと情緒的ベネフィットの両方を見つけることも意識してみてください。

それぞれをアピールすることで、より顧客の心に響きやすくなります

簡単にベネフィットを見つけられるテンプレート

簡単にベネフィットを見つけられるテンプレートを用意したので、活用してみてください。

  • 〇〇です(スペック)→だから、〇〇になるんです(ベネフィット)

このテンプレートを洗濯機に活用すると、以下のようになります。

  • 乾燥機能付きです→だから、洗濯物を干す手間を省けます
  • 除菌機能付きです→だから、気になる生乾き臭がなくなります
  • 大容量10kgです→だから、大家族でも一度にまとめて洗濯ができるんです

まとめ:ベネフィットをマーケティングに活用しよう

ベネフィットとは、何かを得ることで生まれる価値や良い結果を指します。

スマートフォンそのものはベネフィットではなく「友達と楽しく交流できる」「大切な思い出を写真に残せる」という価値がベネフィットです。

顧客の心を動かして購買行動につなげるためにも、ベネフィットをマーケティングに活用しましょう。


マーケティングにおいて欠かせない戦略の立て方は、以下の記事で確認できます。

>関連記事:Webマーケティング戦略の立て方!便利な9つのフレームワークを紹介