オウンドメディアは意味がないといわれる5つの理由
オウンドメディアは意味がないといわれる理由を解説します。
- なかなか収益化できないから
- 集客の難易度が上がっているから
- 費用対効果がわかりにくいから
- 更新するのが大変だから
- 専門知識やスキルが必要となるから
1.なかなか収益化できないから
オウンドメディアは意味がないといわれる1つ目の理由は、なかなか収益化できないからです。
オウンドメディアはすぐに目立つ場所に掲載されるWeb広告と違い、読者の目に触れるまでに時間がかかります。アクセスがすぐに伸びないため、収益化するまでに時間がかかるのです。
実際、Webマーケティング事業を展開する「Zenken株式会社」が調査したところ、収益化に時間がかかっているオウンドメディアが29.7%あると公表しています。
出典:Zenken株式会社|オウンドメディア運営担当者300人に聞いた「オウンドメディアに関する調査」を発表 ~企業のオウンドメディアは、85.3%がコロナ禍中にスタート 「成約につながりにくい」など課題も~
なかなか収益化できないことから、オウンドメディアは意味がないといわれがちです。
2.集客の難易度が上がっているから
オウンドメディアは意味がないといわれる2つ目の理由は、集客の難易度が上がっているからです。
インターネットに発信される情報は数を増しており、競合サイトとの差別化が難しくなっています。また、オウンドメディアの主な集客方法はSEOとなりますが、このSEOで苦戦している企業も多いです。
出典:Zenken株式会社|オウンドメディア運営担当者300人に聞いた「オウンドメディアに関する調査」を発表 ~企業のオウンドメディアは、85.3%がコロナ禍中にスタート 「成約につながりにくい」など課題も~
ご覧のように、35.8%の企業はSEO対策の失敗を原因にオウンドメディアの運営を中止しています。Googleのコンテンツに対しての審査は厳しくなってきており、SEOの難易度も上がっているのです。
このように、集客の難易度が上がっていることから、オウンドメディアは意味がないといわれています。
3.費用対効果がわかりにくいから
オウンドメディアは意味がないといわれる3つ目の理由は、費用対効果がわかりにくいからです。オウンドメディアの効果は収益だけでは測れません。
例えば、自社の認知度向上や商品・サービスのブランディングなどがあります。認知度の向上やブランディングは数値化しにくいため、費用対効果がわかりにくいのです。
オウンドメディアは人件費やコンテンツ制作費用など、さまざまなコストがかかります。コストをかけているわりに費用対効果がわかりづらいため、中止してしまう企業もあります。
4.更新するのが大変だから
オウンドメディアは意味がないといわれる4つ目の理由は、更新するのが大変だからです。
企業によって異なるものの、SEO記事を1本制作するのに5時間ほどかかります。企業によっては10時間以上かけて制作するケースも。
これだけ時間がかかってしまうと、更新するのも大変です。時間をかけているわりに効果を実感できないと、オウンドメディアを運営している意味がないと考えてしまうのでしょう。
5.専門知識やスキルが必要となるから
オウンドメディアは意味がないといわれる5つ目の理由は、専門知識やスキルが必要となるからです。
オウンドメディアは適当に運営すれば効果が出るわけではなく、専門知識やスキルを有したプロに仕事を任せる必要があります。
【オウンドメディア運営に必要な専門知識やスキル】
- SEO
- マーケティング
- Webライティング
- セールスライティング
- Webデザイン など
自社に専門知識やスキルを有した人材がいるとは限りません。ほかの企業に仕事を依頼するとなると、外注費がかかります。
投資している費用ほど効果が出ていないと、オウンドメディアは意味がないと考えてしまいがちです。
オウンドメディアをやる意味がない企業の特徴
オウンドメディアをやる意味がない企業の特徴を解説します。
- ターゲット顧客が検索エンジンをあまり利用していない
- 社内からの協力を得られそうにない
- 売れた実績のない商品やサービスを紹介したい
オウンドメディアを始めようか迷っている方は、参考にしてみてください。
ターゲット顧客が検索エンジンをあまり利用していない
ターゲット顧客が検索エンジンをあまり利用していない場合、オウンドメディアをやる意味はないです。
オウンドメディアは、主に検索エンジンを通して顧客にリーチする手段です。そのため、ターゲット顧客が検索エンジンを利用していない場合、オウンドメディアによる集客は期待できません。
ターゲット顧客が検索エンジンをあまり利用していない場合は、SNSやYouTubeなどを運営すると良いでしょう。
社内からの協力を得られそうにない
社内からの協力を得られそうにない場合、オウンドメディアをやる意味はありません。
オウンドメディアで成果を出すには、社内からの協力が必要だからです。協力とは、例えば以下が挙げられます。
- オウンドメディア構築費用やコンテンツ制作費用などの予算の確保
- オウンドメディア制作チームの用意
- 開発部門や営業部門からの情報提供 など
上記の協力があってこそ、オウンドメディアでの成果につながります。
そのため、社内からの協力を得られそうにない場合は、オウンドメディアの運営はおすすめしません。
売れた実績のない商品やサービスを紹介したい
売れた実績のない商品やサービスを紹介したい場合は、オウンドメディアを運営するのは効果的ではありません。売れた実績のない商品やサービスをオウンドメディアで紹介したところで、なかなか売れないからです。
市場で実績のない商品やサービスを紹介しても、お客様に魅力をうまく伝えるのは容易ではありません。
売れた実績のない商品やサービスを紹介したい企業は、オウンドメディアよりWeb広告やプレスリリースなどがおすすめです。
意味のないオウンドメディアになる7つの原因
意味のないオウンドメディアになる原因を解説します。
- 目的が不明確なまま運営している
- すぐに結果を出したいと考えている
- 社内での理解を得られていない
- 運営体制が整っていない
- コンテンツの質が低い
- SEO対策をしていない
- キーワード選定に問題がある
オウンドメディア運営で失敗しないためにも、内容を押さえておきましょう。
1.目的が不明確なまま運営している
意味のないオウンドメディアになるのは、目的が不明確なまま運営しているケースが多いです。
目的が不明確なままだと、サイトの方向性が定まらないからです。方向性によって最適な手段も異なります。
手段を間違えてしまうと、オウンドメディア運営に失敗する可能性が高くなります。
2.すぐに結果を出したいと考えている
前述したように、オウンドメディアですぐに結果を出すのは現実的ではありません。
SEO対策やコンテンツを継続的に制作する必要があり、長期的な視点での運営が求められます。早く結果を求めるほどうまくいかないことに落胆し、オウンドメディアの運営に挫折してしまうのです。
すぐに結果を出そうとせず、地道にコンテンツを発信することがオウンドメディアの運営には求められます。
3.社内での理解を得られていない
社内での理解を得られていないと、オウンドメディアはうまくいきません。オウンドメディアは、半端な覚悟で始めてうまくいくものではないのです。
まずは経営陣を説得し、承認とバックアップを得ます。そして社内全体を巻き込み、必要なら社外パートナーの協力も得て、試行錯誤しながら地道にコンテンツを積み上げていくものです。
オウンドメディアを成功させるためにも、まずは社内での理解を得る必要があります。
4.運営体制が整っていない
社内での理解を得られていないのと関連しているのが運営体制です。
オウンドメディアの運営には、コンテンツの企画や制作、SEO対策などのさまざまな作業が必要です。担当者が不明確であったり人員が不足していたりすると、運営が滞ってしまい、オウンドメディアの運営に失敗してしまいます。
オウンドメディアで成果を出すためにも、運営体制を整えましょう。
5.コンテンツの質が低い
コンテンツの質が低いのは、意味のないオウンドメディアによくある共通点です。
コンテンツの質が低いと、オウンドメディアの運営において以下の悪影響を及ぼします。
- 検索結果ページの上位に表示されない
- 上位表示されないから、アクセスが増えない
- アクセスが増えないから、売上も増えない
オウンドメディアで成果を出すには、良質なコンテンツを発信し続けることが重要です。
6.SEO対策をしていない
オウンドメディアの主な集客手段であるSEOをしていないのも、失敗する原因の1つです。SEO対策をすることで検索結果ページの上位に表示され、多くのアクセスを集められます。
反対に、SEO対策をしないと上位表示できず、アクセスが思うように増えません。
SNSやWeb広告などで集客できるなら話も別ですが、基本的にはSEOで集客する必要があります。SEOの成否がオウンドメディア運営の成否を決めるのです。
7.キーワード選定に問題がある
キーワード選定に問題があるのも、よくある失敗の原因です。キーワードによってSEOの難易度は大きく異なり、キーワード次第では検索上位を獲得するのが難しいものもあります。
例えば、お金や医療などの「人の人生に多大な影響を与えるジャンル」は難易度が高いです。この難易度が高いジャンルを「YMYLジャンル」といいます。
キーワードによっては国や大企業が競合となるため、勝負にすらならないケースがよくあるのです。
そのため、キーワード選定に問題がある場合、正しいやり方でキーワードを選定する必要があります。
意味のあるオウンドメディアにする6つのポイント
意味のあるオウンドメディアにするポイントを解説します。
- 目的を明確にする
- ターゲットを明確にする
- ターゲットに満足してもらえるコンテンツを制作する
- 継続的にコンテンツを制作する
- SEO対策をする
- 検索上位を獲得できるキーワードを選定する
オウンドメディア運営を成功させたい方は、参考にしてみてください。
1.目的を明確にする
最初に、目的を明確にしましょう。目的は各企業によって異なります。
目的を設定せずに何となく始めてしまうと、サイトの方向性が定まらず、オウンドメディア運営に失敗する可能性が高くなります。
そのため「何のためにオウンドメディアを運営するのか」という目的を最初に設定しておきましょう。
【目的の例】
- 自社商品の売上アップ
- リードの獲得
- 採用活動の促進
- ブランディング向上
- 競合他社との差別化 など
2.ターゲットを明確にする
オウンドメディアの方向性を定めるためにも、ターゲットを設定します。自社がターゲットにしたい具体的な人物像を「ペルソナ」といいます。
「どんなユーザーに見てもらいたいのか」を明確にし、ペルソナが喜びそうなコンテンツを制作します。
ペルソナを明確化するコツは、以下のとおりです。
- 正確性の高いデータに基づいてペルソナを設定する
- アンケートや数字などの客観的なデータを基にペルソナを設定する
- 設定したペルソナを定期的に見直す
ペルソナを明確化するコツは、以下の記事で詳しく解説しています。ペルソナ設定のやり方がわからない方は、参考にしてみてください。
関連記事:ペルソナ設定の方法を初心者向けにわかりやすく解説【テンプレート付き】
3.ターゲットに満足してもらえるコンテンツを制作する
ターゲットを明確にしたあとは、ターゲットに満足してもらえるコンテンツを制作します。満足してもらえるコンテンツを制作して発信すると、定期的にリピート訪問してもらえる可能性が上がるからです。
リピート訪問が増えるほどコンバージョンが発生するチャンスも増えるため、結果としてオウンドメディアの売上アップにつながります。
オウンドメディアの売上をアップするためにも、ターゲットに満足してもらえるコンテンツを制作しましょう。
4.継続的にコンテンツを制作する
ターゲットに満足してもらえるコンテンツを制作するだけでなく、継続的にコンテンツを制作し続けることもポイントです。
記事の質も大切ですが、一定数のコンテンツがないとメディアとしての見映えがよくありません。オウンドメディアを始めたばかりのころは大してアクセスもなく、コンテンツを制作する以外の作業は少ないです。
オウンドメディアを始めてから1~3ヵ月は、継続的にコンテンツを制作することに集中すると良いでしょう。
5.SEO対策をする
集客を成功させるためにも、SEO対策をしましょう。
闇雲にコンテンツを制作し続けるだけでは検索上位を獲得できず、集客に失敗します。検索上位を獲得して多くの読者に注目されると、集客の成功につながります。
SEO対策のやり方は以下の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください。
関連記事:【初心者OK】SEO対策のやり方を基本からわかりやすく解説
6.検索上位を獲得できるキーワードを選定する
検索上位を獲得するには、キーワードを選定することが重要です。
ビッグキーワード(検索数の多いキーワード)は競合が強く、立ち上げたばかりのサイトでは勝負になりません。そのため、立ち上げ初期はロングテールキーワード(検索数の少ないキーワード)を狙うのがおすすめです。
まずはロングテールキーワードで検索上位を獲得し、徐々にビッグキーワードを狙うと良いでしょう。
キーワード選定のやり方は、以下の記事で詳しく解説しています。
オウンドメディアの成功事例3選
最後に、意味のあるオウンドメディアになった成功事例を紹介します。
- THE CALBEE
- Voice by TOYOBO
- ピープル(株)コーポレート広報
オウンドメディアで成功するイメージの湧かない方は、参考にしてみてください。
1.THE CALBEE
出典:THE CALBEE
1つ目に紹介する事例は「THE CALBEE」です。
同メディアのコンセプトは「カルビーのこれまでとこれからのストーリーを語っていく場」です。
商品開発の裏話や、従業員の想いなどを発信しています。noteは一般消費者のユーザーが多いため、BtoC業界であるカルビーとの相性は良いです。
自社商品に愛着をもっていただけるコンテンツを制作し、ブランド価値を高めることに成功しています。
2.Voice by TOYOBO
2つ目に紹介する事例は「Voice by TOYOBO」です。ライフサイエンス分野で開発・製造を営む東洋紡が運営しているオウンドメディアです。
従業員のリアルな声を集め、従業員の熱い気持ちが伝わるコンテンツを発信しています。
また、かわいらしいキャラクターをコンテンツに登場させている点も特徴です。
出典:Voice by TOYOBO|破れないフィルム 破れなかった夢。「コスモシャインSRF®」世界シェア60%の舞台裏
従業員の熱い気持ちを伝えるだけでなく、読者がコンテンツを楽しめる工夫もされています。
3.ピープル(株)コーポレート広報
3つ目に紹介する事例は「ピープル(株)コーポレート広報」です。ピープルは、子ども向け商品の企画開発をしている会社です。
企業を変革していく様子を伝えるために、noteでの運営を開始。27年にわたって愛されてきたロングセラー商品「ぽぽちゃん」の生産終了を伝えた記事で、1200スキを超えるバズが生まれました。
出典:ピープル(株)コーポレート広報|子ども達の好奇心に真摯に向き合った結果、ぽぽちゃんを生産終了する判断に至りました。『ピートラ』~号外~
企業のパーパス(存在意義)を考えたうえで、ぽぽちゃんの生産を終了するという苦渋の決断をしました。代表である桐渕氏のリアルな経営判断をさらけ出して高評価を得た事例といえます。
成功ポイントを押さえて意味のあるオウンドメディアを制作しよう!
オウンドメディアは意味がないといわれる理由や、意味のあるオウンドメディアにするポイントなどを解説しました。
意味がないオウンドメディアを制作してしまう企業も多いですが、反対に意味のあるオウンドメディアの制作に成功している企業も数多くあります。意味のないオウンドメディアになるかは、運営方法に左右されます。
本記事の内容を参考にして、オウンドメディアの制作を始めてみてください。
成果を出すまでに時間はかかりますが、成功すると安定して集客できる「24時間働き続ける優秀な営業マン」を生み出せます。
関連記事:オウンドメディア8つの集客方法!集客を成功させるコツとあわせて解説
【参考文献】
月刊『広報会議』編集部「広報会議2024年6月号 オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」