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PDCAサイクルを早く回す7つのコツ!基本的な回し方や具体例も解説

「PDCAを実践しているけど、なかなか成果が出ない…」 「PDCAを早く回せるようになりたい!」 こういった悩みに応える記事です。 本記事では、基本的なPDCAの回し方や具体例、早く回すコツなどを解説します。 最後まで読むと、PDCAサイクルを早く回すコツがわかります。 PDCAを早く回せるようになりたい方は、参考にしてみてください。

PDCAサイクルの基本的な回し方

PDCAサイクル

PDCAサイクルの基本的な回し方を解説します。

Plan:計画

PDCAでは最初に達成したい目標を明確にし、具体的な計画を立てます。

計画の精度が低いとその後のステップがうまく進まず、目標を達成するのが難しくなります

例えば「1年以内に売上を10%向上させる」「3ヵ月以内に新規顧客を50人増やす」などの目標を決めましょう。

目標を立てたうえで、目標達成に必要な施策を考えてスケジュールを作成します。

計画の段階で実現可能な方法を考えたうえで無理のないスケジュールを組むと、スムーズに進行しやすくなります。

Do:実行

計画が決まったら、具体的な行動に移します。計画どおりに施策を実行するのが基本ですが、状況に応じて柔軟に対応することも求められます。

まずはスケジュールに沿ってタスクを進め、計画と施策にずれが生じていないかを確認しながら進めましょう。

チームで施策を行う場合は進捗を定期的に報告し、情報を共有します。

実行した施策の記録を残しておくと、次の評価や改善の段階で役立ちます

Check:評価

続いて、成果を評価します。設定した目標と実際の結果を比較し、達成度を確認しましょう。

まずはデータを基に、成功した点と課題を明確にします

例えば「売上目標を達成できたか」「施策の効果が期待どおりだったか」などを確認します。


また、客観的な視点を取り入れるために、チームの意見を集めるのも効果的です。評価を正しく行うことで、次の改善に向けた具体的な対策を考えやすくなります。

Action:改善

最後に、評価の内容を参考にして改善点を考えます。まずは課題を具体的に整理し、改善策を決めます。

実施した施策の効果が低かった場合は新しい方法を試すか、実行の仕方を見直しましょう

また、成功した施策は強化することで、より高い成果につなげられます。改善策が決まったら次の計画に組み込み、再びPDCAサイクルを回します。

うまくいかなかった点を改善し、PDCAサイクルを継続的に回していきましょう。

PDCAサイクルを回す具体例

Webマーケティング業務を例にして、PDCAサイクルの回し方を解説します。

PDCAサイクルのイメージを掴むのにお役立てください。

Plan

「LPの売上を10%向上させる」という計画を立てた場合、その目標を達成するための小さな目標を立てます。

小さな目標の例)

  • 3ヵ月以内にCVR(コンバージョン率)を1%→2%まで上げる
  • 1ヵ月以内にファーストビューの離脱率を40%→30%まで下げる
  • 半年以内にWeb広告のCTR(クリック率)を10%→20%まで上げる

今回は「3ヵ月以内にCVRを1%→2%まで上げる」という目標を例に解説を続けます。

上記の目標を達成するために、以下の施策を計画しました。

  • ファーストビューのデザインを改善する
  • ABテストを実施してより効果的な訴求ポイントを特定する
  • ABテストでCTAボタン(行動を促すボタン)のクリック率が高いパターンを調べる

具体的な施策を計画したあとは、実行のステップに進みます。

Do

先ほど考えた計画に基づいて「ファーストビューのデザインを改善する」「ABテストを実施してより効果的な訴求ポイントを特定する」などの施策を実行します。

変更したLPを公開したあとは「ヒートマップツール」「アクセス解析ツール」などを利用して、1ヵ月データを収集します。

Check

1ヵ月データを収集したあとは、変更前と変更後のLPのデータを比較します。

LPのCVRを上げるために重要な指標は、以下のとおりです。

  • CTAボタンのクリック率
  • PV数
  • ファーストビューの離脱率
  • 直帰率
  • ページ滞在時間
  • スクロール率

CTAボタンのクリック率は5%→6%に改善しましたが、CVRは1%→1.5%までしか改善しませんでした。

目標のCVR2%を達成するために、次のステップで改善策を考えます。

Action

評価の結果を基に、以下の改善策を考えました。

  • CTAボタンの訴求文を変更する
  • 1回もクリックされていないCTAボタンを削除する
  • CTAボタンの色を青から緑に変えてABテストする

上記の改善策を計画に組み込み、再びPDCAを回します。

このようにしてサイクルを回すのが、PDCAの基本的な流れです。

PDCAサイクルを早く回す7つのコツ

PDCAサイクルを早く回すコツを解説します。

  • 達成したい目標を明確にする
  • 実現可能な目標を設定する
  • 計画は60%くらいの完成度にしてすぐ行動する
  • 1週間・1日単位の短期間で施策を実行する
  • ツールを活用してデータを取得・分析する
  • 進捗や成果を記録する
  • 定期的に成果を確認する

PDCAを早く回せるようになりたい方は、参考にしてみてください。

達成したい目標を明確にする

最初に、何を達成するのかを明確にしましょう。目標が不明確だと計画の方向性が定まらず、適切な行動がとれないからです。

具体的な目標が決まると実行段階での迷いが減り、効率よくPDCAを回せます。

例えば「売上を上げる」「新規顧客を増やす」ではなく「半年以内に売上を30%向上させる」のように、具体的な数字と期限を設定するのがポイントです。

PDCAサイクルを早く回すために、数字と期限を設けた具体的な目標を設定しましょう。

実現可能な目標を設定する

計画を立てる際には、現実的で無理のない目標を設定することが大切です。

非現実的な目標を設定してしまうと、計画を実行する前にメンバーのモチベーションが下がってしまい、PDCAが機能せずに失敗する可能性が高くなるからです。

チームの能力を正しく把握し、達成できるレベルの目標に集中することで、モチベーションを維持しながら改善を進められます。

現実的な初期計画を立て、モチベーションを維持しながらPDCAサイクルを回しましょう。

計画は60%くらいの完成度にしてすぐ行動する

計画を完璧にしようとすると時間がかかりすぎるため、60%くらいの完成度で十分です。

PDCAサイクルを回す過程で計画をブラッシュアップするため、最初から完璧でなくても問題ありません。PDCAサイクルを早く回すには、すぐに実行できるようにすることが大切です。

計画の段階では完璧を求めず、スピードを意識して施策を実行してみてください。

1週間・1日単位の短期間で施策を実行する

月や年単位ではなく1週間や1日単位で施策を実行すると、すぐに成果を確認できます。

成果の確認が早くなるほど改善も早くなり、結果としてPDCAサイクルが早く回ります

1週間・1日単位を目安にして施策を実行し、成果を出すまでの時間を短縮しましょう。

ツールを活用してデータを取得・分析する

効率的にPDCAサイクルを回すには、ツールを利用してデータを収集し、客観的に分析することも大切です。

自分の感覚や経験だけで判断すると、精度の高い改善策を見つけるのが難しくなります。

例えばWebサイトの改善を行う場合、アクセス解析ツールを利用すると、訪問者数や滞在時間などのデータを基に改善策を考えられます

データを基に改善策を考え、効率よくPDCAサイクルを回してみてください。

進捗や成果を記録する

記録がないと過去の取り組みを振り返れないため、同じ課題に繰り返し直面する可能性があり非効率です。

効率よくPDCAサイクルを回すためにも、進捗や成果を記録しましょう。

進捗や成果を記録するツールは「Excel」「Googleスプレッドシート」などで十分です。

上記のツールを利用して実施した施策や成果を記録すると、成功・失敗の要因を分析しやすくなります。

定期的に成果を確認する

PDCAサイクルは1周したら終わりではなく、定期的に成果を確認することで目標に少しずつ近づいていきます。

企業によってはPDCAを回すこと自体が目的になっているケースもありますが、これでは成果は期待できません。定期的に成果を確認することで、目標達成までの進捗を把握し、適切な軌道修正ができます

日々の業務が忙しくてPDCAサイクルを回すスピードの低下もあると思いますが、成果の確認は定期的に行いましょう。

PDCAについてよくある質問

最後に、PDCAについてよくある質問にお答えします。

PDCAは古くて時代遅れのフレームワークでは?

「PDCAは時代遅れ」という意見も目にしますが、現在でも有効なフレームワークです。

特に、継続的な改善が求められる業務で役立ちます


新しいビジネス環境では変化への素早い対応が求められるため、OODA(ウーダ)のような迅速な意思決定モデルも注目されています。

しかし、計画的に業務を進めて成果を分析しながら改善を繰り返すPDCAは、品質管理やマーケティング施策の最適化などの様々な場面で活用可能です。

PDCAサイクルを回すメリット・デメリットは?

PDCAサイクルを回すメリットは、計画の立案から改善を繰り返すことで、業務の質を高められることです。

また、データを基に改善策を考えられるため、自分の感覚に頼らず効果的な判断ができます。


デメリットは、計画を立てるのに時間がかかる点です。環境の変化が激しい場合は計画段階で状況が変わってしまい、柔軟な対応が難しくなる可能性もあります。

PDCAを活用するには、状況に応じてサイクルを短縮したり迅速に修正したりする工夫が必要です。

PDCAに代わるものはありますか?

PDCA以外にも、業務改善や意思決定に役立つフレームワークはあります。

例えば、OODAがあります。

OODAとは、以下4つの段階で構成されるフレームワークです。

  • O(Observe):観察
  • O(Orient):状況判断
  • D(Decide):意思決定
  • A(Act):行動

変化の激しい環境や競争の激しい市場で、素早く意思決定したいときにOODAは役立ちます

PDCAとOODAの違いは?

PDCAとOODAはどちらも業務改善や意思決定に使われるフレームワークですが、用途が異なります。

PDCAは、長期的な改善や品質管理に向いています。

一方のOODAは、競争が激しい市場や即座に判断が求められる状況に向いているフレームワークです。


違いをまとめると、PDCAは継続的な改善や品質管理に向いており、OODAは素早い意思決定が必要な状況に向いています

「PDCAは時代遅れで使えない」ではなく、状況に応じて使い分けるとビジネスの成長スピードが加速します。

まとめ:PDCAサイクルを早く回して仕事を効率よく進めよう!

基本的なPDCAの回し方や具体例、早く回すコツなどを解説しました。

PDCAを早く回すには、計画は60%くらいの完成度にして、行動のスピードを上げることが大切です。

そして、ツールを活用してデータを取得・分析し、成果を確認しましょう。成果が出ていない場合は現状を変えるための改善案を考え、立てた案を実行します。

PDCAサイクルを回す過程で、徐々に計画の完成度も向上します。

本記事の内容を参考にして、PDCAサイクルを回してみてください。