LPOを改善する前の準備
最初に、LPOを改善する前の準備を解説します。
- 顧客や競合などの情報を集める
- ペルソナを設定する
- ヒートマップツールを利用して改善点を洗い出す
準備を入念にしておくかで、LPOの成果を大きく左右します。LPOに着手する前に、準備から始めましょう。
1つずつ解説していきます。
顧客や競合などの情報を集める
LPOを始める前に、顧客や競合などの情報を集めましょう。
情報を集めることで「顧客が商品に何を求めているのか」「何を伝えれば買ってもらえるのか」などがわかるようになるからです。この方法を「3C分析」といいます。
3C分析とは、顧客・自社・競合を調べることで、自社の強みと弱みを把握し、顧客から選ばれる商品を作るための考え方です。
次で、それぞれの要素を詳しく解説します。
顧客
最初に、顧客の情報から調べます。顧客分析というと一般的な属性を調べることが多いですが、属性だけでは売れるLPを作るための情報としては不十分です。属性だけでは、商品を買う理由にならないからです。
例えば、25歳の男性がいたとしましょう。25歳でキャリアアップを目指して仕事をがんばっている人もいれば、仕事はほどほどにして趣味を楽しむ人だっています。
属性は同じでも、求める商品に違いが生じる可能性があるのです。商品を買うのは属性のためではなく、抱えている悩みや課題を解決するためです。
「もっと給料を上げたい」「好きなことを仕事にしたい」などと感じたときに、人は解決策を求めます。そして、解決の手段として商品が必要になります。
そのため、顧客の属性を調べるだけでなく、感情を出発点とした「内面的な特徴」を知ることが重要です。顧客の内面的な特徴は以下のとおりです。
- 課題
- 価値観
- 状態
顧客の属性を調べるだけでなく、内面的な特徴も調べてみてください。
自社商品
次に、自社商品について調べます。
顧客にとっての価値は、抱えている悩みや課題の解決であり、理想的な状態に変わることです。商品そのものではなく、商品を利用することで手に入る価値に対してお金を払っています。
商品が顧客に提供する価値を「ベネフィット」といいます。
自社商品がもつベネフィットを調べ、発見したベネフィットをLPで伝えましょう。LPに訪問されても「自分の求めている価値は手に入らない」と思われると、見込み客はLPから去っていきます。
見込み客の求めている価値を提供できると伝われば、商品が売れる可能性は高くなります。売れるLPを制作するためにも、自社商品のベネフィットを把握しておきましょう。
競合
最後に、競合の情報を調べます。見込み客は買い物で失敗しないために、いくつかの商品を比較検討します。
「品質に問題はないか」「少しでも価格の安い商品はないか」など、様々な基準をもとに検討するのです。なかでも「お買い得かどうか」は大きな判断基準となります。
また「競合は見込み客に対して、どのような提案をしているのか」の視点でリサーチすることも、LPOを実施する際の参考になるためチェックしておくと良いでしょう。
ペルソナを設定する
ペルソナとは、自社商品を必要としている具体的な顧客像を指します。
ペルソナを設定することで、顧客が抱えている悩みや課題を把握しやすくなります。
設定する際のポイントは「見込み客が現在どのような状態にあるのか」を具体的にすることです。
注意したいのは、机上の空論にならないようにすることです。現実にいない顧客を考えても、刺さるLPを作れません。刺さるLPを制作するためにも、現実にいそうなペルソナを設定しましょう。
関連記事:ペルソナ設定の方法を初心者向けにわかりやすく解説【テンプレート付き】
ヒートマップツールを利用して改善点を洗い出す
ヒートマップツールとは、Webサイトを訪問したユーザーの行動を可視化できるツールです。
ユーザーの詳細な行動を分析できるため、LPOを実施する際に役立ちます。ヒートマップツールを利用して改善点を洗い出さないと「いつも決まった箇所で読者が離脱している」といった損失に気づけません。
本来であればコンバージョンにつながったはずのアクセスを捨てていることになるため、Webサイトに投資してきた資金や時間を捨てているのと同じです。
損失を防ぎたい方は、ヒートマップツールを導入することをおすすめします。
LPOの改善施策4選
LPOの改善施策を解説していきます。
- シナリオを再設計する
- LPのデザインを見直す
- CTAを最適化する
- A/Bテストを実施する
シナリオを再設計する
改善して売れるLPにするには、見込み客の購入意欲を高めるためのシナリオが必要です。
自社が伝えたい情報だけを並べても、商品は売れません。顧客中心ではなく、商品中心のLPになっているからです。
「良い商品さえ紹介すれば買ってくれる」というのは、間違った思い込みです。商品中心の考え方を見直し、見込み客の心を動かすシナリオを作りましょう。
売れるLPのシナリオとは、見込み客がLPに書かれている内容に興味をもち、納得し、検討して購入するまでの流れです。
商品が必要だと思ってもらうには「何を伝えれば良いのか」を考える必要があります。ランディングページは、主に以下3つのエリアに分けられます。
順番に解説していきます。
ファーストビューエリア
ファーストビューとは、LPを開いて最初に表示される画面です。ファーストビューは、LPを読む際の流れを左右する重要な構成要素です。
パッと見て内容が伝わらなかったり情報が多すぎたりすると、見込み客はすぐにLPから去っていきます。早期の離脱を防ぐためにも、ファーストビューの段階で「このページを読みたい」と思ってもらうことが重要です。
そのため、LPを開いた瞬間に目に入ってくる情報で「私の悩みを解消できそう!」と感じてもらう必要があります。
悩みを解消できそうと思ってもらうために、先ほど準備した見込み客の内面的な特徴やベネフィットなどを活用します。
ファーストビューエリアを再設計する際のポイント
ファーストビューを再設計する際のポイントは、以下のとおりです。
- キャッチコピーを作る
- メインビジュアルを探す
- キャッチコピーとメインビジュアルを組み合わせる
最初に、見込み客の興味を引くためのキャッチコピーを作ります。
次に、キャッチコピーで伝えている内容を、メインビジュアルで伝えます。最後に、キャッチコピーとメインビジュアルを組み合わせると、ファーストビューエリアの完成です。
キャッチコピーは、見込み客に自分ごと化してもらうための課題、商品を使うことで手に入るベネフィットなどを参考にして作ります。見込み客が商品を買うのは「これは自分の悩みを解消できる商品だ」と感じたときです。
ベネフィットをイメージさせるビジュアルを配置することで、見込み客が「自分のための情報だ」と思いやすくなります。
オファーエリア
オファーエリアとは、割引特典や補償などを伝えるためのエリアです。どの商品をいくらで買えるのか、どのような支払方法を利用できるのかなどがわかる情報を配置します。
多くの見込み客は「本当に効果があるのか」「自分でもうまく使えるのか」など、商品を購入する前に様々な不安を感じます。
そこで、見込み客が感じる金銭や労力、精神的な負担を軽くしてあげるのです。不安を軽減する情報を伝えることで、購入を迷っている見込み客の購入を後押しできます。
オファーエリアを再設計する際のポイント
見込み客が「今すぐ買わないと損だ」と感じる場を作ることと、今すぐ買ってもらうための情報を整理して、見せ方を考えることがポイントです。
オファーエリアは、以下の要素で作ります。
- 見出し
- 商品情報
- オファー内容
- 適用条件
- CTA など
見出しを設置し、読者の注意を引きます。内容は、割引特典や保証などが考えられます。
割引特典や保障などの情報に具体的な数字を入れることで、見込み客の購入を後押しすることが可能です。
CTAには「購入する」や「申し込む」などの行動を促す言葉を入れることで、購入条件に納得した見込み客に最後の一押しをします。
コンテンツエリア
コンテンツエリアは、見込み客に商品を紹介するエリアです。
LPを読み進めてくれた見込み客に対して、購入を検討する際に役立つ商品情報を提供する必要があります。コンテンツエリアを構成する主な要素は、以下のとおりです。
- 悩みへの共感
- 問題の提起
- 原因の特定
- 解決策の提示
- 商品の特徴
- 実績や評価
- 申し込みの流れ
- 使い方
- Q&A など
コンテンツエリアは、LPのなかで最もボリュームの多いエリアです。上記の要素を用いて、見込み客の興味を引きます。
そして、なぜ悩みや課題を解決できるのか、根拠となる商品の特徴・実績や評価などを伝え、見込み客が納得して商品を購入できるようにします。
コンテンツエリアを再設計する際のポイント
コンテンツエリアには、以下のように商品に興味をもってもらえる情報を載せます。
- 見込み客の抱える悩み
- 問題提起
- 悩みの原因
- 悩みの解決策 など
続いて、商品で悩みを解決できることを伝えるために、商品のメリットを提示します。また、商品や会社を信用してもらうために、商品の特徴や実績評価、申し込み方法などの情報を載せます。
コンテンツエリアの商品説明は詳しい内容を伝える必要があるため、どうしても文章が多くなりがちです。しかし、興味のある人は詳しく知ろうとするものなので、多少は長い文章になっても問題ありません。
見込み客が納得して商品を購入できる情報を提示しましょう。
LPのデザインを見直す
シナリオを再設計したあとは、LPのデザインを見直します。
デザインで重要なのは、メリハリの有無です。メリハリとは、見え方に違いをつけて大事なポイントを瞬時に伝えるための表現です。
LPに記載されている情報をすべて丁寧に読む人はまずいません。メリハリをつけないと、見込み客に伝えたい重要な情報を見逃されてしまう可能性が高くなります。
そのため、LPのデザインを見直す際はメリハリを意識してみてください。具体的には、以下のようにしてメリハリをつけます。
- CTAボタンを目立つ色にする
- CTAボタンに動きをつける
- 画像や動画を用いて商品の特徴を伝える
- 比較表を用いて自社商品の良さをアピールする
- ベネフィットやオファーなど、注目してほしい部分の文字を大きくする
反対に、説明的な内容や重要度の低い会社情報などのコンテンツを目立たせる必要はありません。
読んでもらうLPではなく「読みたくなるLP」ができたとき、売れるLPの完成に近づきます。
CTAを最適化する
商品の購入に直結するCTAは最適化しておきたいところです。CTAを最適化するポイントは、以下のとおりです。
- A/Bテストを実施する
- セールス文を改善する
- 購入のハードルを下げる文言を入れる(〇%オフ、簡単〇分など)
- ヒートマップを用いてCTAのクリック状況を可視化する
特に重要なのはA/Bテストです。次で、A/Bテストについて詳しく解説します。
A/Bテストを実施する
A/Bテストとは、CTAや広告文などを最適化するために実施するテストです。
文章やボタンのデザインが変わるだけでも、コンバージョン率が数%変わります。売れるLPを制作するためにも、A/Bテストを実施してコンバージョン率を高める必要があります。
A/Bテストを実施する際のポイントは、PDCAサイクルを回す回数を多くすることです。
単純な話、1年に10回テストするのか、それとも3回しかテストしないのか、前者のほうが売れるLPに改善しやすいでしょう。
そのため、A/BテストではPDCAサイクルを何度も回す必要があります。A/Bテストを継続的に実施し、PDCAサイクルを回してLPを改善していきましょう。
LPOの改善施策の効果を検証する方法
最後に、LPOの改善施策の効果を検証する方法を解説します。
- アクセス解析ツールを利用する
- ヒートマップツールを利用する
アクセス解析ツールを利用する
アクセス解析ツールとは、Webサイトに訪問したユーザーのデータを解析できるツールです。
アクセス解析ツールを利用すれば、直帰率(ほかのページを読まずに離脱した割合を表す指標)やユーザーの滞在時間などのLPOに必要なデータを取得できます。
代表的なアクセス解析ツールは以下の2つです。
Googleが提供している無料ツールで、多くのWebサイトで導入されています。
無料で利用できるため、まだ導入していない方はこの機会に利用を検討してみてください。
ヒートマップツールを利用する
ユーザーの行動を可視化できるヒートマップツールは、LPOの効果を検証する際に役立ちます。
ヒートマップツールに興味のある方は「サイトリード」のご利用を検討してみてください。
サイトリードは、3種類のヒートマップを搭載しています。
先ほど紹介したGA4やGoogleサーチコンソールなどでアクセス解析するだけでは、不十分です。
熟読率やクリックポイントなどのデータは、ヒートマップツールでないと取得できないからです。
弊社が提供しているサイトリードであれば、ユーザーのサイト内での行動を詳細に分析できます。1,000PV未満の小規模のWebサイトであれば、無料でお試しいただけます。
サイトリードを利用して熟読率やCTAボタンのクリック率などを改善すれば、アクセスや売上が増加するでしょう。
「コスパNo.1のヒートマップツール」とご好評をいただいているサイトリードを、この機会に無料で利用してみてください。
まとめ:改善を繰り返してLPの収益性を高めよう!
LPOの改善施策について解説しました。改善する前の準備は以下のとおりです。
- 顧客や競合などの情報を集める
- ペルソナを設定する
- Webツールを利用して改善点を洗い出す
準備を入念にしておくかで、LPOの成果を大きく左右します。上記を参考にして、まずは準備から始めてみてください。
準備が完了したあとは、以下のLPO施策を行います。
- シナリオを再設計する
- LPのデザインを見直す
- CTAを最適化する
- A/Bテストを実施する
ヒートマップツールやABテストツールなどを利用して、LPOに着手してみてください。
改善も1回だけでは不十分です。改善を繰り返すことで、LPの収益性の向上につながります。
本記事の内容を参考にして、LPを改善していきましょう。
【参考文献】
- 平岡 大輔「売れるランディングページ改善の法則」技術評論社、2023年
- 株式会社ポストスケイプ「ランディングページ 成果を上げる100のメソッド」エムディエヌコーポレーション、2018年