オウンドメディアを立ち上げる7つの手順
オウンドメディアを立ち上げる手順は、以下のとおりです。
- オウンドメディアを始める目的を明確にする
- オウンドメディアのコンセプトを決める
- 集客したいターゲットを決める
- 運用に必要な機能を整理する
- Webサイトを制作する
- 必要なツールをそろえる
- オウンドメディアを公開する
手順1:オウンドメディアを始める目的を明確にする
最初に、オウンドメディアを始める目的を明確にしましょう。
目的が不明確だとオウンドメディア運用の方向性を見失ってしまい、費用や時間をムダにしてしまう可能性が高くなるからです。
そのため「何のためにオウンドメディアを立ち上げるのか」という目的を明確にしましょう。
例えば、以下の目的があります。
- 自社商品の売上向上
- 自社の認知度向上
- ファンの獲得
- 見込み客の獲得
- 競合他社との差別化 など
上記を参考にして、ゴールを設定してみてください。
手順2:オウンドメディアのコンセプトを決める
「誰に、何を伝えたいのか」というコンセプトを決めましょう。
一例として、弊社のコンセプトを紹介します。
- 誰に:Web担当者や中小企業の経営者
- 何を伝えたいのか:Webメディアを活用した集客や売上を伸ばす方法
コンセプトを決めておくと伝えたい内容が明確になるため、統一感をもって発信できます。
発信の内容に統一感がないと「このサイトは何を伝えたいの?」となってしまい、読者はWebサイトから離脱したくなります。
オウンドメディアを活用して自社ビジネスを伸ばすためにも、コンセプトを設定してみてください。
手順3:集客したいターゲットを決める
目的を決めたあとは、オウンドメディアで集客したいターゲットを決めます。
ターゲットとは「ざっくりした読者像」です。
例えば「20代の女性」「30代のサラリーマン」などがターゲットに該当します。
ターゲットによって伝えるべき内容が変わるため、目的やコンセプトだけでなくターゲットも決めておきましょう。
手順4:運用に必要な機能を整理する
オウンドメディアを立ち上げる際に必要な機能を整理しておくことで、目的を達成しやすくなります。
例えば、自社商品の売上向上が目的の場合はWebページの改善に役立つ機能、見込み客の獲得が目的の場合は集客に役立つ機能などが考えられます。
自社の目的に合わせて必要な機能を整理してみてください。
手順5:Webサイトを制作する
Web知識のない方でも簡単にWebサイトを制作できるCMSを利用するのがおすすめです。
CMSとはWebサイトの構築や管理などができるツールのことで、種類は以下の3つです。
CMSの種類 | 概要 |
---|---|
オープンソース | プログラムのソースコードが無料で公開されているCMS。世界シェアの6割を超える「WordPress」が有名 |
クラウド | 販売業者が管理するサーバー内にWebサイトを作るCMS。簡単にWebサイトを開設できる一方で、毎月の使用料が発生する |
パッケージ | ライセンスを購入して利用するCMS。短時間でWebサイトを開設できるが、ライセンスの購入費用が発生する |
どのCMSにしようか迷う場合は、世界シェアの6割を超えるWordPressでWebサイトを立ち上げることをおすすめします。
手順6:必要なツールをそろえる
オウンドメディアの運用に必要な機能を搭載したツールをそろえましょう。
必要な機能を搭載したツールを表にまとめました。
必要な機能 | 必要な機能を搭載したツール |
---|---|
オウンドメディアの管理・運用機能 | ・CMS ・コミュニケーションツール ・コンテンツスケジュール管理ツール |
Webページの改善機能 | ・ヒートマップツール ・LPOツール ・アクセス解析ツール |
集客機能 | ・SEOツール ・広告運用ツール ・Webマーケティングツール |
ツールを導入するとオウンドメディアで早く成果を出しやすくなるため、必要なツールをそろえてみてください。
手順7:オウンドメディアを公開する
Webサイトを制作したら、あとはオウンドメディアを公開するだけです。
次で、オウンドメディアを立ち上げたあとにやることを解説します。
オウンドメディアを立ち上げたあとにやること3選
オウンドメディアを立ち上げたあとにやることは、以下のとおりです。
- オウンドメディアの運用体制を整える
- 記事を制作する
- 制作した記事を分析して改善する
円滑にオウンドメディアの運用をスタートするためにも、内容を押さえておきましょう。
1.オウンドメディアの運用体制を整える
オウンドメディアをスタートした初期の段階で、運用体制を整えておきます。
「コンテンツを制作して発信する」というと簡単に聞こえますが、実際は以下のように数多くの作業が必要です。
- 担当者の指名
- メンバーの役割の決定
- 執筆や編集のルールの設定
- 各工程のスケジュール調整
- 企画会議や編集会議の運営 など
運用体制が整っていないと、作業の多さにチームの運営が滞る可能性があります。
スムーズにオウンドメディアを運営するためにも、以下を参考にして運用体制を整えておきましょう。
- 責任者を決める
- レギュレーション(規則)を決める
- コンテンツの企画や制作などの担当を決める
- 自社のリソースが不足している場合は外注する
- 必要なWebツールを用意する(アクセス解析やヒートマップなど)
2.記事を制作する
読者の悩みや課題を解決する良質なコンテンツを制作することが、オウンドメディアの集客を成功させるために重要です。
例えばWebサイトの場合、読者は自身の悩みや課題を解決するためにネットで検索しています。悩みの解決に成功すると感謝され、自社サイトにリピート訪問してもらえる可能性が高くなります。
アクセスが増えるだけでなく、信頼関係を築けたことで自社商品やサービスの成約につながりやすくなるのです。
読者の悩みや課題を解決できる良質なコンテンツを制作し、読者との信頼関係を築きましょう。
オウンドメディアの記事制作については、以下の記事で確認できます。
関連記事:オウンドメディア記事の書き方5つの手順!良質な記事を制作するコツと併せて解説
3.制作した記事を分析して改善する
コンテンツを制作しただけで終わりにするのではなく、コンテンツを定期的に改善しましょう。
改善して読者に満足してもらえるコンテンツにすると、オウンドメディアへのアクセスが増えたりコンバージョンにつながったりするからです。
例えば、Webサイトを改善する際のポイントは以下のとおりです。
- 「Googleアナリティクス」や「Googleサーチコンソール」などのアクセス解析ツールを利用する
- 「サイトリード」などのヒートマップツールを利用する
- ツールを用いてページ滞在時間や直帰率などを改善する
- 実践した改善施策をスプレッドシートなどに記録し、あとで効果を振り返る
- 効果の出た施策を中心にしてコンテンツを改善する
定期的にコンテンツを改善し、読者に満足してもらえるコンテンツを制作しましょう。
記事の改善には「ヒートマップツール」がおすすめ
ヒートマップツールとは、Webサイトを訪問した読者の行動を可視化できるツールです。
読者の詳細な行動を分析できるため、Webサイトを改善する際に役立ちます。
ヒートマップツールを導入していないと「いつも決まった箇所で読者が離脱している」といった損失に気づけません。
本来であればコンバージョンにつながったはずのアクセスを捨てていることになるため、Webサイトに投資してきた資金や時間を捨てているのと同じです。
損失を防ぎたい方は、ヒートマップツールを導入してWebサイトを改善しましょう。
ヒートマップツールに興味のある方は「サイトリード」の公式サイトをチェックしてみてください。
サイトリードは、3種類のヒートマップと離脱防止ポップアップを搭載したツールです。
詳細な行動を把握できるため「コンバージョンが発生しない」「最後まで記事を読んでもらえない」などのWebサイトの課題を見つけられます。
見つけた課題を解決すると、アクセスや売上の増加が期待できます。
サイトリードは1,000PV未満のWebサイトであれば、無料で利用可能です。
「コスパNo.1のヒートマップツール」とご好評をいただいているサイトリードを、この機会に無料で利用してみてください。
オウンドメディアを立ち上げるのにかかる費用相場
オウンドメディアを立ち上げるのにかかる費用相場を解説します。
- オウンドメディアの構築費用
- オウンドメディアの運用費用
オウンドメディアを始めるか迷っている方は、参考にしてみてください。
オウンドメディアの構築費用
オウンドメディアの構築費用は、Webサイトの規模や内容によって大きく変動します。
例えば、数ページ程度の小規模なWebサイトであれば数万円~20万円ほどの費用に抑えることも可能です。
仮に数百ページ以上ある大規模サイトの場合、300万円以上かかるケースもあります。
また、オウンドメディアの構築を依頼する会社の規模によっても費用相場が異なるため、複数の制作会社を比較検討すると費用を抑えやすくなります。
オウンドメディアの運用費用
運用費用の相場は以下のとおりです。
項目 | 費用相場 |
---|---|
サーバー・ドメイン代 | 数千~数万円/月 |
Webツールの費用 | 数千~数万円/月 |
新規コンテンツの制作・修正の費用 | 1記事あたり1万~10万円ほど |
コンサルティングの費用 | 20万~80万円/月 |
※費用相場はあくまで目安です。依頼する会社の規模によって費用相場は異なるため、詳細はオウンドメディア制作会社にお問い合わせください。
自社でオウンドメディアを運用する場合はサーバー・ドメイン代とWebツールの費用で済むため、費用を抑えられます。
ただし、自社で運用すると「コンテンツを制作する時間や手間がかかる」「成果が出るまでに時間がかかる」などのデメリットがあります。
自社のリソースを把握したうえで、オウンドメディアの運用を代行するかを検討してみてください。
オウンドメディアの成功事例
オウンドメディアの成功事例を紹介します。
- マーキング学習塾
- リガクラボ
- ログラス
オウンドメディアをどう運用すればいいかわからない方は、参考にしてみてください。
マーキング学習塾【toB】
出典:マーキング学習塾
センサや測定器などを研究開発している企業「キーエンス」が運用しているオウンドメディアを紹介します。
レーザーの導入において知っておきたい基礎知識や活用方法などを紹介しており、レーザーについて幅広く学べます。
レーザーマーカーに興味のある企業の疑問を解決する情報を発信することで、見込み客を集客することに成功している事例でした。
リガクラボ【toC】
出典:リガクラボ
「リガクラボ」は、日本理学療法士協会が運用しているオウンドメディアです。
「理学療法への認知獲得と活用領域の拡大」という目的を掲げ、2019年からオウンドメディアを始めています。
職業の認知こそあるものの、理学療法がどのように役立つのかを知らない生活者は多いです。
「病気やケガの予防情報」を発信し、理学療法に関心をもってもらうことを目指しています。
総記事数は200本を超え(2024年12月時点)月間で17,000PVを獲得するオウンドメディアに成長しています。
ログラス【SNS】
出典:ログラス
経営管理領域のDXを推進するSaaSサービスを開発・提供する「ログラス」のオウンドメディアを紹介します。
2022年に公式noteを開設し、たった1ヵ月で50本もの記事を公開。
オウンドメディア運用の課題の1つに「コンテンツの量が足りない」という要素があるなか、ログラスはハイペースで記事を発信しています。
成功要因となったのは、公式noteの運用担当が執筆者を徹底サポートしたことです。
1人の運用担当が50本の記事を進行管理することで、オウンドメディアの課題をクリアすることに成功しました。
オウンドメディアを立ち上げる際によくある質問
最後に、オウンドメディアを立ち上げる際によくある質問にお答えします。
オウンドメディアを立ち上げるメリット・デメリットは?
オウンドメディアを立ち上げるメリット・デメリットは、以下のとおりです。
メリット | ・見込み客を集客できる ・自社商品やサービスの成約につながる ・売上の向上が期待できる ・広告費を抑えられる ・長期的な資産になる ・自社が求める人材を獲得しやすくなる ・自社のブランド価値を高められる |
デメリット | ・成果が出るまでに早くても半年ほどかかる ・専門知識やノウハウのある社員が必要 ・オウンドメディア運用を外注する場合は費用がかかる |
デメリットよりもメリットのほうが多いため、自社のビジネスにオウンドメディアを活用するのはおすすめです。
関連記事:オウンドメディア7つのメリット・3つのデメリットを解説!
オウンドメディアを今から立ち上げても意味ないのでは?
「オウンドメディアは一時期ブームだったけど、最近は下火になってる古いマーケティング手法では?」と、オウンドメディアの効果に疑問を感じる方もいると思います。
たしかに、ブームだった時期と比べれば勢いは落ち着いていますが、依然としてオウンドメディアは人気の高いマーケティング手法です。
低コストで始められるため、興味があるなら試しに始めてみると良いでしょう。
ただし、オウンドメディアも企業によって向き不向きがあるため、自社は向いているのかを確認したうえで始めることをおすすめします。
先ほど紹介したオウンドメディアを立ち上げるメリット・デメリットを参考にしてみてください。
まとめ:オウンドメディアを立ち上げて自社のビジネスに活用しよう!
オウンドメディアの立ち上げ方について解説しました。
立ち上げるためにやることは多いですが、オウンドメディアは時間や手間がかかるものです。
準備に時間をかけるほど成果が出やすいため、準備に時間をかけることをおすすめします。
本記事の内容を参考にしてオウンドメディアを立ち上げ、自社のビジネスに活用しましょう。
立ち上げたオウンドメディアの集客を成功させたい方は、以下の記事を読んでみてください。オウンドメディアの集客方法について詳しく解説しています。
関連記事:オウンドメディア8つの集客方法!集客を成功させるコツとあわせて解説
【参考文献】
月刊『広報会議』編集部「広報会議2024年6月号 オウンドメディア 企業の“リアル”を届ける 距離感が縮まる広報戦略」