オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、企業が所有するメディアを指します。
企業が所有するメディアと一言でいっても、以下のように数多くあります。
- Webサイト
- コラム
- ブログ
- ホームページ
- ランディングページ
- メールマガジン
- YouTubeチャンネル など
多くの企業がオウンドメディアを運用し、自社ビジネスの成長に活用しています。
オウンドメディアとSNSの違い
「企業が所有するメディアをオウンドメディアというなら、SNSもオウンドメディアじゃないの?」と考える方も多いでしょう。
そのとおりで、広義的に考えるとSNSはオウンドメディアの一種です。
しかしオウンドメディアを狭義的に考えると、Webサイトや企業コラムなどを指すことが一般的です。
本記事では、オウンドメディアとSNSを区別して解説を続けます。
オウンドメディアにSNSを活用する重要性
SNSの利用者は年々増えています。
総務省が公表しているデータを見ると、年代によって利用率は異なるものの、全体の約8割がSNSを利用しています。
出典:総務省|令和5年通信利用動向調査の結果 6P
多くの見込み客と接点をもつためにも、オウンドメディアだけでなくSNSも活用することが重要です。
次で、オウンドメディアにSNSを活用するメリットを紹介します。
オウンドメディアにSNSを活用する4つのメリット
オウンドメディアにSNSを活用するメリットは、以下のとおりです。
- SEOに依存するリスクを分散できる
- 検索エンジンと比べて早く流入が期待できる
- ユーザーとコミュニケーションをしやすくなる
- 顧客と信頼関係を築きやすくなる
1つずつ解説します。
SEOに依存するリスクを分散できる
オウンドメディアを運用する際、SEO(検索エンジン最適化)に依存することはリスクがあります。
アルゴリズムの変更によって、検索順位が急落するおそれがあるからです。
SNSを活用するとSEOに依存しなくてもよいため、リスクを分散できます。
検索エンジンと比べて早く流入が期待できる
オウンドメディアのコンテンツが検索エンジンで評価されるまでには、半年~1年ほどの時間がかかります。
一方でSNSを利用すると、コンテンツを投稿した瞬間から多くのユーザーに情報を届けることも可能です。
特にフォロワーの多いアカウントの場合、コンテンツを発信した直後からアクセス数を大きく伸ばせます。
ユーザーとコミュニケーションをしやすくなる
SNSはユーザーと直接コミュニケーションをとれる手段として効果的です。
直接コミュニケーションをとることで信頼関係を構築しやすくなるだけでなく、自社商品やサービスに関する意見やメッセージなどを集められるメリットもあります。
集めた意見やメッセージを参考にすると、自社商品やサービスの改善につなげられます。
顧客と信頼関係を築きやすくなる
オウンドメディアとSNSを連携させることで、顧客との信頼関係を構築しやすくなります。
SNSで定期的に情報を発信することで、企業の姿勢や価値観を効果的に伝えられるからです。
また、ユーザーからの質問に迅速に対応することで、誠実な印象を与えられます。
このような積み重ねにより企業の信頼性は高まり、自社商品やサービスの購入につながります。
オウンドメディアと併用すると相性の良いSNS
オウンドメディアと併用すると相性の良いSNSは、以下のとおりです。
SNS | 特徴 |
---|---|
X | ・140字の短文投稿が中心 ・リポストによる拡散を狙える |
・動画や画像などの視覚的なコンテンツがメイン ・検索方法はハッシュタグ検索が主流 | |
YouTube | ・全世代の利用率が高い ・基本無料で動画を視聴できる |
LINE | ・SNS利用者のうち86%が利用している ・ターゲットごとに自動返信機能やメッセージ配信ができる |
TikTok | ・15秒から1分ほどのショート動画がメイン ・無名でもコンテンツが面白ければ多くのユーザーから認知される |
・実名登録制を採用している ・広告配信機能が充実している |
1つずつ紹介します。
参考:総務省|デジタル空間における情報流通に関する現状 4P
X【拡散力が強み】
運営会社 | - |
料金 | ・無料プランあり ・有料サブスク:月額980円 |
国内月間利用者数 | 4,500万人 |
利用者の年齢層 | 10~40代 |
特徴 | ・140字の短文投稿が中心 ・リポストによる拡散を狙える |
「X」は140字の短文投稿(ポスト)が人気のSNSで、日本国内の月間利用ユーザー数は4,500万人以上です。
記事のシェア機能である「リポスト」が備わっており、ほかのSNSよりも拡散力に強みがあります。
オウンドメディアで作成したコンテンツをXで紹介すると、コンテンツの内容によってはリポストによる拡散が期待できます。
拡散に成功すると、オウンドメディアのアクセスが大幅に増えるでしょう。
Instagram【画像や動画で訴求できる】
運営会社 | メタ・プラットフォームズ |
料金 | 無料 |
国内月間利用者数 | 3,300万人 |
利用者の年齢層 | 10~50代 |
特徴 | ・画像や動画などの視覚的なコンテンツがメイン ・検索方法はハッシュタグ検索が主流 |
「Instagram」は画像や動画などの視覚的なコンテンツが人気のSNSで、日本国内の月間利用ユーザー数は3,300万人を超えています。
おしゃれな画像や動画で自社商品やサービスを訴求するだけでなく、インフルエンサーを用いたマーケティングも盛んです。
Instagramは視覚的なコンテンツが人気のため、ファッションや飲食などのビジュアルで訴求したい業界と相性が良いSNSです。
YouTube【ノウハウを動画でわかりやすく伝えられる】
運営会社 | |
料金 | 全機能無料(有料版もあり) |
国内月間利用者数 | 18歳以上のユーザー数7,000万人 |
利用者の年齢層 | 10~60代 |
特徴 | ・全世代の利用率が高い ・基本無料で動画を視聴できる |
「YouTube」は、Googleが提供している世界最大級のSNSです。
文章や画像では伝わりにくいノウハウを、動画でわかりやすく伝えられる点がYouTubeの特徴です。
また、10~60代まで全世代の利用率が高いため、幅広い年齢層からターゲットを選んでマーケティングを展開できます。
オウンドメディアとYouTubeを併用する場合は、オウンドメディアで作成したコンテンツを台本にして動画を作る方法が考えられます。
「動画を作るのはハードルが高い」と考える方も多くいますが、オウンドメディアのコンテンツがあれば、すでに台本は完成しているようなものです。
台本に書いてあることを話せば動画が完成するため、YouTubeを始めるハードルを下げられます。
ユーザーのよくある悩みや疑問に1人で答える動画もありますが、質問してくれる演者を用意すると自然な形で動画を撮れます。
LINE【見込み客との関係構築に役立つ】
運営会社 | LINE株式会社 |
料金 | ・無料プランあり ・LINE公式アカウント有料プラン:月額5,500円~(税込) |
国内月間利用者数 | 9,300万人 |
利用者の年齢層 | 10~60代 |
特徴 | ・SNS利用者のうち86%が利用している ・ターゲットごとに自動返信機能やメッセージ配信ができる |
日本で最も利用者が多いSNSが「LINE」で、月間利用者数は9,300万人を超えています。
LINEの特徴は、オウンドメディアに訪問してLINE登録した見込み客に対し、密度の濃いアプローチができる点です。
密度の濃いアプローチを続けることで、見込み客との関係構築が可能です。
TikTok【10~20代に人気】
運営会社 | ByteDance |
料金 | 全機能無料(有料版もあり) |
国内月間利用者数 | - |
利用者の年齢層 | 10~20代 |
特徴 | ・15秒から1分ほどのショート動画がメイン ・無名でもコンテンツが面白ければ多くのユーザーから認知される |
「TikTok」は15秒から1分ほどのショート動画がメインのSNSで、10~20代のZ世代から支持を得ています。
動画作成や編集が手軽にできるため、SNS運用に慣れていない初心者でも始めやすいです。
フォロワーがいない無名の状態で始めても、コンテンツさえ面白ければ多くのユーザーに拡散され、認知されやすくなる点が特徴です。
オウンドメディアで10~20代向けに情報を発信している企業は、TikTokの利用を検討してみてください。
Facebook【30~50代のビジネスパーソンに人気】
運営会社 | メタ・プラットフォームズ |
料金 | 全機能無料(有料版もあり) |
国内月間利用者数 | 2,600万人 |
利用者の年齢層 | 30~50代のビジネスパーソン |
特徴 | ・実名登録制を採用している ・広告配信機能が充実している |
「Facebook」は、30~50代のビジネスパーソンから支持を得ているSNSです。
Facebookは基本的に実名で登録する必要があるため、信用が特に重要である「医療」「金融」などの業界と好相性です。
オウンドメディアのコンテンツをFacebookで紹介するだけでなく、新商品やキャンペーンの告知にも活用できます。
オウンドメディアの集客効果を劇的にアップするSNS活用法
オウンドメディアの集客効果をアップさせるSNS活用法を解説します。
- SNSの運用方針を決める
- リソースを把握したうえで運用体制を整える
- オウンドメディアとSNSの投稿内容を合わせる
- 閲覧されやすい時間帯に投稿する
オウンドメディアの集客を成功させたい方は、参考にしてみてください。
SNSの運用方針を決める
まずは、SNSの運用方針を決めましょう。
投稿数も大切ですが、闇雲に投稿を繰り返しても成果は期待できません。
運用方針を決めたうえで、方針に沿って運用することがオウンドメディアへの集客を成功させるために大切です。
例えば、以下のような運用方針が考えられます。
運用方針 | 具体的な施策 |
---|---|
SNSを経由してオウンドメディアのアクセスを増やす | ・拡散によるアクセスを見込めるXを利用する |
ブランドの認知度を高める | ・自社ブランドのターゲット層に合うSNSを選ぶ |
SNSを始める前に運用方針を決めて、方針に沿った内容を投稿しましょう。
リソースを把握したうえで運用体制を整える
SNSの運用方針を決めたあとは、リソースを把握することが重要です。良質な投稿を継続していくには、人的リソースが欠かせないからです。
オウンドメディア運用と一言でいっても、以下のようにやるべきことが数多くあります。
- 責任者の決定
- メンバーの役割の決定
- 執筆や編集のルールの設定
- コンテンツの編集
- トラブル発生時の対応 など
人的リソースあっての運用なので、仮に自社の人材だけではリソースが足りない場合、外注を検討する必要があります。
オウンドメディアを円滑に運用して集客を成功させるためにも、リソースを把握したうえで運用体制を整えてみてください。
オウンドメディアとSNSの投稿内容を合わせる
オウンドメディアとSNSを効果的に運用するには、それぞれの投稿内容を合わせることが大切です。
例えば、オウンドメディアではダイエットについて発信しているのに、SNSではコスメについて発信するのはNGです。
SNSを読んでくれているユーザーにとって興味があるのはコスメであり、ダイエットではありません。
オウンドメディアのコンテンツもコスメであれば、興味をもってアクセスしてくれる可能性が高くなります。
効率よく集客するために、オウンドメディアとSNSの投稿内容を合わせましょう。
閲覧されやすい時間帯に投稿する
投稿をユーザーに見てもらいやすくするために、閲覧されやすい時間帯に投稿しましょう。
若年層マーケティング専門メディアを運用している「SORENA」が独自に調査したアンケートによると、SNSの利用が集中するのは17~24時です。
出典:SORENA
特に、19~24時の時間帯の利用率が高いため、夜の時間帯に投稿するのがおすすめです。
企業のSNS活用事例3選
最後に、企業のSNS活用事例を紹介します。
- dely
- SHARP
- Loco Partners
SNSをどう活用すればよいかわからない方は、参考にしてみてください。
1.dely【Instagram】
出典:Kurashiru
1つ目に紹介する活用事例は、料理や献立レシピについて発信している「dely」のSNSです。
delyは「Kurashiru」というメディアを運用しており、以下のように幅広く展開しています。
- Webサイト
- アプリ
- YouTube
- Instagram など
なかでもInstagramの運用で成果を出しており、フォロワーは440万人を超えています(2025年1月時点)。
InstagramでWebサイトやアプリに載せているレシピを画像や動画で紹介しており、料理の魅力が伝わるSNSアカウントです。
自社ECサイトへの誘導ができているため、ECサイトのアクセスを増やすことに成功しています。
2.SHARP【X】
出典:SHARP
2つ目に紹介する活用事例は、大手電機メーカーの「SHARP」が発信しているSNSです。
Xのフォロワーは83万人を超えており(2025年1月時点)多くのユーザーと交流を深めています。
SHARPのXアカウントの特徴は、ユーザーが親しみやすい口調で投稿している点です。
「企業の発信=堅苦しい」というイメージを払拭するようであり、お客様というより友達に向けて投稿しているようです。
親しみやすい投稿を続けたことで親近感をもたれ、お客様からの信頼を獲得することに成功しました。
3.Loco Partners【Facebook】
出典:Relux
最後に紹介する活用事例は、高級ホテルや旅館などの宿泊予約ができるWebサイトを運用している「Loco Partners」のSNSです。
Loco PartnersはFacebookを運用しており、フォロワー数は112万人です(2025年1月時点)。
高級ホテルや旅館の魅力的な画像をアップしており、ユーザーの「宿泊したい」という気持ちを高めています。
多くのFacebookフォロワーが自社のWebサイトに流入しており、SNSを活用することで集客することに成功しています。
まとめ:SNSを活用してオウンドメディアへのアクセスを増やそう!
オウンドメディアとSNSの違い、オウンドメディアの集客効果をアップするSNS活用法などを解説しました。
SNSの利用者は年々増えており、2023年には全体の約8割がSNSを利用しています。
多くの見込み客と接点をもつためにも、オウンドメディアだけでなくSNSも活用することが重要です。
本記事の内容を参考にして、オウンドメディアとSNSを併用して運用しましょう。
オウンドメディアのアクセスを増やして集客したい方は、以下の記事も読んでみてください。オウンドメディアの集客について詳しく解説しています。