KGIとは
KGIとは、日本語に訳すと「重要目標達成指標」という意味です。
「Goal」という単語からもわかるとおり、KGIは企業の最終目標のことです。
KGIは「売上をたくさん上げる」のような、曖昧な目標設定はNGとされています。
「1年後に売り上げ10億円を達成する」のように、具体的に設定する必要があります。
KGIとKPIの違い
KGIと似た言葉にKPI(Key Performance Indicator)があります。
KPIとは、日本語に訳すと「重要業績評価指標」という意味です。
違いを簡単に説明すると、KGIは最終目標、KPIはKGIを達成するための中間目標といえます。
中間目標であるKPIを設定するために、最終目標であるKGIの設定が欠かせません。
最終目標によって、立てるべき中間目標が異なるからです。
例えばKGIが「100時間以内に10km先のゴールに到達」だとすれば、10時間ごとに1km進めば達成できる計算になります。
これが「10時間以内に10km先のゴールに到達」という目標だとすれば、1時間で1km進まないと目標を達成できない計算になります。
このように、中間目標を明確にするためにも、KGIを設定する必要があるのです。
KGIとKSFの違い
KGIと似た言葉に、KSF(Key Success Factor)があります。
KSFを日本語に訳すと「重要成功要因」を意味し、簡単にいえばKGIの達成につながる成功要因です。
例えば、下記のようなKSFが考えられます。
- シェアを拡大するために商品を値下げする
- DXを推進するために専門部署を立ち上げる
- 自社商品の売上を伸ばすためにSNS広告をおこなう
上記のようなKSFを適切に設定することで、KGIを達成しやすくなるメリットがあります。
KGIを設定する3つのメリット
ここではKGIを設定するメリットについて解説します。
KGIを設定するメリットは下記のとおりです。
- 目標の方向性が明確になる
- 進捗管理しやすい
- モチベーションの向上が期待できる
ひとつずつ解説していきます。
目標の方向性が明確になる
KGIを設定することで、チームでの目標の方向性が明確になるメリットがあります。
KGIを設定することで、事業の最終目標を具体的な指標としてチームで共有できるからです。
達成したい最終目標が可視化されればチームで向かうべき方向も定まり、達成するための工夫や努力も明確になります。
チームでKGIを共有することで、目標達成を効率よく進められます。
進捗管理しやすい
KGIを設定することで、進捗管理しやすくなるメリットがあります。
達成すべき目標数字が具体化され、進捗状況を可視化できるからです。
また、事業目標の進捗が滞っている場合、KPIの効果を測定し素早く修正できるので、最終目標の達成が早まるでしょう。
KGIを設定してKPIで進捗状況を把握していれば、経営判断の精度向上につながります。
モチベーションの向上が期待できる
KGIを設定すれば、モチベーションの向上が期待できます。
人から与えられた目標は他人ごとになりやすく、従業員からすると達成する価値を感じないケースも少なくありません。
意欲が欠けていると、設定した目標が頓挫する可能性が高くなるでしょう。
一方、KGIを設定すれば、自身で納得して設定したものだからこそ意義を感じ、達成したい意欲が高まる効果が期待できます。
また、従業員の自主性を高めるうえでも、KGIを設定するメリットはあります。
KGIを設定する方法【SMARTの法則】
いよいよKGIを設定する方法について解説します。
効果的なKGIを設定するために「SMARTの法則」を利用しましょう。
SMARTの法則とは、目標達成率を最大化するためのフレームワークで、以下の要素で構成されています。
- Specific:明確な
- Measurable:測定可能な
- Achievable:達成可能な
- Relevant:関連がある
- Time-bounded:期限を定めた
SMARTの法則を利用することで、より達成確率の高いKGIになります。
各要素をひとつずつ解説していきますね。
Specific:明確な
まずはKGIに明確性があるかを確認します。
抽象的で曖昧な目標を立てると、目標達成のためにどう動けばいいのかわからず、具体的な行動プランがわかりづらいです。
例えば「売上を増やす」といった曖昧な目標ではなく「新規顧客に向けた営業で売上を増やす」など、具体的で行動に移しやすいKGIを設定することがポイントです。
Measurable:測定可能な
KGIを設定する際に、測定可能であるかを確認します。
測定ができないと、KGIの進捗度や達成度について効果検証がしづらくなるからです。
職種によっては目標の定量化が難しいケースもありますが、なるべくKGIに数字を入れるのがポイントです。
例えば、下記のようなKGIが考えられます。
- 1000万円の売上を3ヵ月の間に受注する
- 今年中にECサイトの売上高1億円を達成する
- 部署の作業効率を10%アップさせる
上記のように数字を入れて、誰が評価しても同じ評価を得られる項目にすることがポイントです。
同じ評価が得られる項目にしておけば、従業員の仕事に対する評価を公平にできます。
測定可能なKGIを設定し、ゴールを達成できる確立を高めましょう。
Achievable:達成可能な
設定するKGIは、達成可能である必要があります。
どれだけ具体的かつ測定可能であっても、非現実的な目標を掲げると、チームのモチベーションが下がります。
実現できる見込みの低い理想的な目標では、KGIは機能しません。
そのため、目標の達成が困難と感じた場合は、無理して継続せずに原因を分析し、目標を軌道修正しましょう。
Relevant:関連がある
関連とは、設定した目標を達成することで、自身や会社にどのような利益が得られるのかを指します。
例えば、報酬アップや昇進などが該当します。
仮に目標を達成しても、一時的な達成感で終わってしまうと、モチベーションの維持・向上にはつながりません。
そのため、目標達成の度合いに対して、人事評価で報酬や等級を連動させることが大切です。
Time-bounded:期限を定めた
KGIを決めたら、いつまでに達成するのかの期限を設けましょう。
期限を設けないとKGI達成の優先度が下がったり、モチベーションの維持が難しいので、挫折する可能性が高いです。
達成する期限を明確にしておくことで、KGIを達成するまでの管理もしやすくなります。
また、期限を決めることでいつまでに終わらせるのかを上司や同僚にも共有でき、目標達成のためにチームで協力し合える環境づくりにもつながります。
KGIの職種別の設定例
業種や職種ごとに適切なKGIがあります。
ここでは下記3つの職種について、KGIの設定例を紹介します。
- マーケティング職
- 営業職
- 製造職
KGIを設定する際の参考にしてください。
順番に解説していきます。
マーケティング職
マーケティング職であれば、下記のようなKGIが考えられます。
- コンバージョン数
- UU(ユニークユーザー)数
- フォロワー数
- セミナー開催後の受注数
- 購入完了数
一言でマーケティング職といっても、さまざまな手法や媒体があります。
例えば、オウンドメディア運営・SNS運用・ECサイト運営など、多岐にわたります。
手法や媒体によって設定すべきKGIも変わるので、前述した例を参考にして、自社に合ったKGIを設定しましょう。
営業職
営業職であれば、以下のようなKGIが挙げられます。
- 売上高
- 成約数
- 成約率
- シェアの獲得
営業職は成果が数字で出やすいので、KGIの設定は比較的しやすいでしょう。
特に、成約数や成約率をKGIに設定すれば、集客について対策すべきか判断しやすくなります。
製造職
最後に、製造職のKGIの例は下記のとおりです。
- 売上高
- 労働生産性の向上
- 品質の向上
- 生産リードタイムの短縮
モノ作りの職種であるだけに、品質の向上や生産リードタイムの短縮などをKGIに設定することが考えられます。
KGIのまとめ
KGIの設定方法や設定例について解説しました。
KGIを設定する際には、SMARTの法則を利用します。
- Specific:明確な
- Measurable:測定可能な
- Achievable:達成可能な
- Relevant:関連がある
- Time-bounded:期限を定めた
SMARTの法則を利用し、成果につながるKGIを設定しましょう。